「入場する順番はどうやって決めるの?」
「いつも同じ順番じゃないの?」
「ユニークな決め方があるなら知りたい」
そんなお声に おこたえします。
【本記事の内容】
【プロトコール(国際儀礼)】オリンピック開会式での国の入場順
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、 日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20ほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
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オリンピックの開会式で、参加国が一か国ずつ入場してくるシーンをテレビなどで見たことがある方も多いかと思います。2021年7月に開催された東京オリンピックには、206の国と地域が参加しましたが、開会式では、各国、独自のユニフォームや伝統衣装を来て、パフォーマンスなどをしながら入場する国もありましたね。 自分のよく知った国が入場してくると、つい見入ってしまったり、また、自分にあまり馴染みのない国だと、「へー、そういう国があったんだ・・・どこ?」と疑問に思ったり、いろいろな感情をもってご覧になったのではないでしょうか?
各選手の表情や動きなどを見て、楽しんだ、という人も多いでしょう。反対に、どのような順番で選手団が入場してくるのか という点について、注視していた人は少ないでしょう(笑) 実は、国際交流や海外の人と関わる仕事をなさっている人には、大切なポイントが「順番」ですので、今回は、200ヵ国以上ものチームが、どのような決まりで、順番に入場してくるのかについて、みていきましょう。
私どものプロトコール(国際儀礼)研修で、「どのように開会式での入場順が決められていると思うか?」と質問すると、いろいろな答えがかえってきます。「メダル数が少ない順番」「参加人数が多い順番」「地理的に分けて」「背の順(誰の?)」などなど(笑)
オリンピックでは、毎回、オリンピック発祥国のギリシャが先頭、開催国が最後尾、で入場すると決められています。それ以外の国についてはどのようなルールで決めているのでしょうか?
プロトコール(国際儀礼)には、5原則があり、その中のひとつに「序列の重要性: Rank conscious」があります。詳しくは、こちらの記事 → 海外対応に必須のプロトコール5原則! 接客や国際交流に活用しよう をご覧ください。
国際行事でたくさんの国の人々が集まる時には、どのような順で入場するか、どの座席に誰が座るかなど、誰もが納得のいく、ある一定の順序によって、入場やを並びを決めます。
「最初がギリシャ・最後が開催国」その2つ以外の国について 入場の順番は、国際オリンピック委員会(IOC)が五輪憲章で、「開催国の言語でアルファベット順」で入場する、と以前は定めていたのですが、各国に固有の文化を発信する目的で、現在では、開催国の言語を用いてアルファベット順に限らない順番が認められるようになっています。
ということで、東京五輪(2021年)の開会式では、国・地域名の50音順(あいうえお順)が採用されました。日本で行われた過去3度のオリンピックでは、英語のアルファベット順の入場でしたので、50音順は、日本で開催された大会では今回が初となりました。尚、最後から2番目のフランス(2024年パリ五輪開催)、最後から3番目のアメリカ(2028年ロサンゼルス五輪開催)は、例外の扱いです。
具体的には、2番目は難民選手団、3番目はアイスランド、4番目はアイルランド、また、アルファベット順では最初となることが多いアフガニスタン(Afghanistan)は、あいうえお順では、6番目に入場しました。
ロンドンオリンピック(2012年)での入場順は、英語での国名のアルファベット順でした。204の国と地域(+独立参加選手団)が参加し、日本(英語でJapan)は、95番目の入場でした。
また、リオオリンピック(2016年)での入場順は、ポルトガル語での国名のアルファベット順でした。207の国と地域が参加し、日本(ポルトガル語でJapão)は、104番目の入場でした。
日本の場合は、英語でもポルトガル語でも、どちらも J で始まり、だいたい真ん中あたりに登場するので、あまり変わりませんが、例えばアメリカは、英語だと United States of America ですので、ロンドン五輪では 195番目でしたが、ポルトガル語では、Estados Unidos da América ということで、70番目でした。UからEになったことで、随分早い登場になったわけです。
それでは、2008年の北京五輪ではどのように決めたと思いますか? これまでになくユニークなやり方で、中国語(簡体字)による国名の最初の漢字の画数が少ない順番に入場が決められ、日本は23番目の入場でした。 例えば トルコは、ロンドン五輪では、Turkeyで 189番でしたが、中国語では「土耳其」と書き、「土」は3画なので、なんと4番目の登場でした。そんなに早い登場に慣れていないトルコ人の友人が「え?! トルコ選手団はもう終わったの?見逃した~」と叫んでいたのが印象的です(笑)
今回は、【プロトコール(国際儀礼)】オリンピック開会式で国の入場順に決まりがある? をみてきました。複数の国が関わる場面では、誰からみても納得される方法で 順番・並び方を決める、というのが基本です。
国際交流やビジネスで海外の人と接する機会がある人は、たとえ悪気が全然なくても、「なんとなく決めた」という序列は、誤解や不満をあたえてしまう可能性がある、ということを知っておくといいですね。皆さんにとっての本番をイメージした具体的なトレーニングや準備のヒント、また、成功例や失敗例も交えて、楽しく学べる研修をご提供していますので、よろしければ お気軽にお問合せください。(プロトコール研修・国内外VIP対応研修・接客支援のお問合せはこちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2022年1月24日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
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