「お手荷物の渡し方の基本を押さえたい」
「なんと言いながらお渡しすればよい?」
「渡しにくいサイズや形の場合はどうする?」
こういったお声に おこたえします。
【本記事の内容】
【VIP接客での所作】お客様への物の渡し方 気配りが伝わる10のコツ
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20ほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
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所作とは、立ち振る舞い、しぐさ、身のこなしという意味で、歩く、立つ、座る、物を持つ・受け取る・置く・渡す など、あらゆる動作に通じます。言葉がなくても、ある人の所作を見ただけで、その人がどういう性格の人か、どういう気持ちでいるか、ということが如実にあらわれるため、接客の場面はもちろん、プライベートでも、ちょっと意識するだけで、大きく印象が変わりますよ。
まず、一つ目のポイントは、指の先まで気を配る ということです。大まかな部分だけでなく、細部にまで意識を向けることで、上品に見えるだけでなく、相手に対して丁寧に心を込めているという気持ちが伝わりやすくなります。 指と指の間をあけず揃える、それだけで、指先にまで神経が行き届いていることが分かります。また、手全体をピンと張るのか、丸みを持たせるのか、の違いでも、メッセージを伝えることが出来ます。
踊りを例にしてみましょう。日本舞踊など伝統的なものから、現代のダンスまで、一流の踊り手さんは、手の指先・つま先にまで神経が行き届いているのが分かるかと思います。反対に、ダンスを始めて間もない人は、そこまで余裕がなく、大まかな振り付けで満足することが多いかもしれません。 大切なことは細部に宿る、と頭の片隅においておきましょう。
ドアの開け閉め、お茶をテーブルに置く、本を重ねる、その他 いろいろな所作において、最後の瞬間は、一番ゆっくり丁寧に気を配るべきタイミングです。 例えば、ドアを閉める場面であれば、最初から最後までゆっくり押していると、単なるスローモーションで(笑)時間ばかりかかってしまい、お客様をお待たせして、かえってご迷惑がかかります。 ささっと出来る部分はスムーズに行い、ドアがドア枠にあたる最後の部分だけゆっくり丁寧に行うことで、「バタン」という大きな音が防げます。大きな音で相手を驚かせたり、会話を妨げたりすることなく、快適にお過ごしいただきたいというおもてなしの気持ちが伝わります。
物をお渡しする4ステップを みていきましょう。
正対の位置 とは、「正面と、左右斜め45度を含む範囲」のことです。お客様に、後ろから声をかけて、相手に振り向かせて渡したりはしません。
いきなり勢いよく近づくと、警戒したり驚くお客様もいらっしゃるので、必ず、“今から近づきますよ” というサインを出してから、つまり、声をかけてから手渡せる距離まで近づきましょう。 「不快に感じない距離や範囲」については、また別の記事で書きたいと思います。
お客様から見て、正面になるような向きに変え、両手でお渡しします。
手渡す物ばかりに視線を向けるのではなく、笑顔で相手に目線を向けます。「どうぞ」とか、「よろしくお願いいたします」とか、「いってらっしゃいませ」など、渡すものに応じて、言葉を添えましょう。
資料の正面を相手に向け、両手で受け取りやすい位置に差し出し、「〇のパンフレットでございます。」「こちらの資料のご確認をよろしくお願い致します。」「△の書類をお持ちしました。お待たせ致しました」などと言葉を添えます。
ペンなど、小さな物を手渡す時には、両手でしっかり持つことが難しいかもしれませんので、そんな場合は、片手で持って、もう一方の手を添えるようにして、お渡しします。ペン先が相手に向かないように、自分に向け、書くときに握る部分を相手が持ちやすいように、自分はペンの下部を持ってお渡しします。
尚、ペンや資料など、軽い物を 軽そうに持つと、雑な扱いをしている印象につながる場合があるため、軽いものこそ重みがあるように扱うのが、ちょっとしたコツです。
傘をお渡しする際は、両手で、相手が柄の部分を持てるようにして傘を立てた状態で渡します。ペンのところでも書きましたが、相手が、その部分を持てば、スムーズに次の行動にうつることができる向きや位置で渡すのが基本ですので、相手の手の差し出しやすい位置にお渡しするよう配慮します。フォーマル感を出そうと思って「床と平行にして、うやうやしく両手で差し出す」なんていうことのないようにしましょう(苦笑)
かばんをお渡しする際は、一方の手でかばんのハンドル部分を持ち、もう一方の手は、かばんの底に沿えて、両手でお渡しします。 傘をお渡しする時と同じで、相手の胸あたりなどあまり高い位置に渡すと、受け取りづらいので、相手の手が自然に伸ばせる位置、そのまま相手が、次の行動にうつしやすい位置にお渡しします。 尚、重いお荷物を重たそうに持つと、相手を申し訳ないなぁ、という気持ちにさせてしまうので、「重いお荷物は軽そうに、軽いものは重みがあるように持つ」を意識するといいですよ。
尚、場合によっては、大きいサイズの物、重い物などは、すぐにその場で渡すのではなく、「よろしければ、出口までお持ち致しましょうか」とお伺いすると喜んでいただけるかと思います。
お預かりしたお手荷物をお返しする際は、カウンター越しに渡すのではなく、接客スタッフはカウンターから一旦出て お渡します。配置上、カウンターからすぐに出られないなど、事情がある場合は柔軟に対応しますが、お客様との間に、何もさえぎるものが無い状態まで 機敏に動いてから、相手が受け取りやすい位置と向きでお渡しするのが基本と覚えておきましょう。 名刺交換の時も、テーブル越しに名刺のやり取りはせず、テーブルから離れて相手に近づいた場所でお渡しするのと同じイメージです。名刺交換については、また別の機会にご紹介しますね。
今回は 【VIP接客での所作】お客様への物の渡し方 気配りが伝わる10のコツ についてみてきました。 接客の場では特に、物を渡すことって、とても多いですよね。「ただただ無造作に渡す」、「物を突き出す」、「大きな音を立てて置く」など、意図せず怖い印象になっていないか、振舞いに気を付けたいところです。
初対面のお客様は、ほんの些細な所作から、スタッフがどんな気持ちで対応しているのか判断するものです。今日ご紹介したコツを少し取り入れてみるだけで、お客様・同僚があなたに抱く印象が変わるかと思います。よりスムーズに出来るように、ロールプレイをしたり、よくある失敗談もまじえて、楽しい研修をご提供していますので、よろしければ お気軽にお問合せください。 (マナー研修・コミュニケーション研修・従業員満足/顧客満足アップ支援のお問合せはこちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2022年3月7日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
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