「出来ないはずなのに、なぜ“出来る”というの?」
「全然非を認めないから困る・・・」
「自信満々のスタッフにどのように接したらよいか知りたい」
そんなお声に おこたえします。
【本記事の内容】
【多国籍スタッフマネジメントと異文化理解】
“外国人社員” が自信過剰に見える3つの理由
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、 日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20ほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
(㈱フォーシーズインターナショナルの情報についてはこちら)
日本以外の国籍の従業員を雇う企業が、全国的に増えてきましたが、皆さんは他の国籍の人と一緒に働いた経験はあるでしょうか? 会社の業務としてではなく、ある単発イベントでご一緒したことがある、とか、全く経験がなく一緒に働くことが想像できない、など、いろいろかと思いますが、今後、多国籍スタッフとの協働の機会は確実に増えてきます。急速に進むグローバル化に加えて、日本人の労働力が減少しているということも理由です。詳しくはこちらの記事 → 【多国籍スタッフマネジメントと異文化理解】“外国人社員” がすぐ辞めてしまう3つの理由 をご覧ください。
今回は、外国人スタッフが “自信過剰”に見える・・・という、私どもの異文化理解研修でもよくご相談を受けるポイントについて、みていきましょう。既に多国籍スタッフをかかえる企業様にも、まだイメージがわかない方にも、海外人財を受け入れる心得や、現場でのコミュニケーションのヒントになれば嬉しく思います。
まず、多国籍スタッフは、とても熾烈な競争社会で育っています。競争が熾烈とまではいかない国でも、日本のように「みんな同じで安心」という感覚では全くありません。そのため、自分は他の人とは違うという差別化意識を強く持っています。つまり、自分の評価にはとても敏感なのです。評価を下げないために、自分に関するマイナス情報は言いたくない、という気持ちが優先され、少々の嘘やハッタリは自然なことと考えられてしまうのです。 そんなことを聞くと、日本人からみると「けしからん!ハッタリなんて不誠実だ」と感じるかもしれません。しかし、こちらが出来る工夫としては、相手の言うことはすべて事実だろう、と信じ込まないことです。「誇張されているはずの自己PRは、いつも差し引いて理解する」というのは、採用の段階でも重要で、すべて真に受けて「すごく優秀だ!合格!」と内定を決断しないように、具体的に数字を使って質問する・矛盾点があればさらに尋ねる、など冷静に事実を確かめましょう。
「ひとこと “すみません” と言ってくれたら、迷惑がかかったとしても、周囲のスタッフは気持ちよく過ごせるのに・・・」「ミスをした時、謝るどころか、自分のせいじゃないとか、原因は予算が少なかったからだ、など責任転嫁や言い訳に、げっそりします。」という愚痴(笑)は、私どもの研修中、よく耳にする経験と言えます。
非を認める というのは、海外では、自分の責任や能力の無さなどを認める行為なので、なかなか心理的にハードルが高いことなのです。慣れていませんので、少し時間はかかるかもしれませんが、根気強く「日本では、素直に非を認めるほうが、評価される」、「謝罪の言葉を言ったほうがむしろ評価が上がる」とということを、ぜひ強調して伝えましょう。ある企業さんが、研修後の変化を教えてくださいましたが、「ビックリしました。Aさんは、今では毎日謝ってますよ(笑)」ということでした。毎日、何をそこまで謝ることがあるのかとは思いますが(笑)ただ、「周囲とトラブルにならなくなったので、良かったです」という感想に、私どもも安心しました。やはり「〇をすると、日本では評価がプラスになる」という説明は、キラーフレーズと言えるでしょう。
皆さんは、どれくらいの程度であれば、「大丈夫!」とか「出来ます」という言葉を使うでしょうか? 日本では、高いレベルや、かなり自信があるレベルでないと、「ピアノが弾けます」「英語が話せます」「準備したので明日のプレゼンは大丈夫!」と言う人は少ないかと思います。 しかし、海外人財は、少しでも出来るなら「出来る」という言葉を使うのが一般的です。どんな世界にも上には上がいるから・・・などと謙虚に言葉を発することはありません。「猫ふんじゃった」が弾けるなら、実際ピアノは弾けますもんね。
初歩的なことができるレベルでも、「できる」「大丈夫」になるわけですから、「結局できなかったじゃないか」とならないためにも、具体的にどのレベルをこちらは求めている、ということを明確にする必要があります。 例えば、「今度、来週の水曜日に、大切なお客様の対応があるんだけど、できるかな?」これでは、あまり意味のない質問の仕方です。というのも、きっと「はい、できます」という返事がくることが予想されるからです。 そして、任せると、大切なお客様の対応が十分ではなく、後から聞いてみると、「これまでやったことはないけれど、お客様が来たら、挨拶して、部屋に連れて行くことは、自分だけで出来ると思ったから」などと言われることがあります。 「出来る?」「大丈夫?」だけでは危険な質問だということを念頭に置きましょう。
では、どのように質問すればよかったでしょうか? 具体的に「大切なお客様の対応が必要だけれど、これまで対応したことは何回ある? その時はどんなお客様の対応をしたことがある?」など 細かくレベルを把握することが大事です。 そうすれば、「出来るって言ったじゃないか~!」というミスマッチが防げます。
ここまで、自分の評価とか感覚 という自分視点が原因で、自信過剰に見える理由を2つご紹介しましたが、3つ目の理由は、優しい気持ちによるものです。つまり、「せっかく声をかけてくれているのに、出来ないと言ったり、相手は困っているかもしれないのにお断りしたら、相手に悪いなぁ、がっかりさせたくないなぁ」と考えて、引き受けてしまうパターンもあるのです。
個人によっても国によっても、違ってきますが、例えばインドでは、「ノー」という言葉はあまり好まれないので、出来るだけ「ノー」と言うことを避ける傾向にあります。相手を失望させないように、相手を喜ばせたいから、何かをお願いすると「大丈夫ですよ」「なんとか出来ますよ」などと相手が望む答えを言うのが インド人によく見られる特徴だったりします。 また、タイでも、人間関係に対する配慮(「グレン・チャイ」と呼ばれます)から、会議で自分の意見を言わなかったり、大丈夫でなくても「大丈夫」と言うことがあります。これらは、自分目線ではなく相手目線で気配りしているから、という理由で、前述の2つとは違う理由ですね。
今回は、【多国籍スタッフマネジメントと異文化理解】“外国人社員” が自信過剰に見える3つの理由 をみてきました。 自分が不利にならないようにという理由であっても、相手をがっかりさせたくないという理由であっても、一緒に働くうえで、事実と違う説明をされてると困ってしまいますよね。
具体的に質問をするなど、誤解が生じないようにする さまざまな工夫がありますので、皆さんの会社に応じた具体的な策を、個別に支援させて頂いたり、成功例や失敗例を交えて、楽しく学べる「受け入れ側の日本人スタッフ向け研修」・「多国籍スタッフ向け研修」の両種の研修について、よろしければ お気軽にお問合せください。(異文化理解研修・コンサルティング支援のお問合せはこちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2022年2月16日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
公式HP https://4cs-i.com/
私たちは、接客や販売を専門にする
研修と代行の会社です。