「お客様にすすめる座席はどこ?」
「そもそも席次とは?上座と下座を判断するポイントを知りたい」
「議長がいる会議ではどう座る?」
こういったお声に おこたえします。
【本記事の内容】
席次のビジネスマナー〔会議室・応接室編〕これで安心!イラスト8例付き
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20サミットほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
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部屋や乗り物など、さまざまな場面で、座席の順序(序列)があり、それを 『席次』 といいますが、皆さんは、誰がどこに座るべきか、席次の判断に自信がありますか? 席次の話を、高校や大学、また、企業の新入社員研修で話しますと、「えー、タクシーにも、エレベーターにも、場所の順序が決まってるの?」と、困惑顔(笑) 確かに、様々な本で、“席次とは、日本の伝統的礼儀の一つ” “社会人として押さえるべき常識のひとつ” “席次を間違うと、評価が下がる” など、ずいぶん脅してくれるので、覚えることが多いなぁ、と 怯(ひる)む 気持ちもわかります。
一般的には、相手に上座(最も良い席)をおすすめすることで、相手への敬意や配慮を示すことができる、というプラス面がありますが、それ以外にも、私たちが仕事をするなかで、席次があるおかげで、助かることがあります。 それは・・・ 席次があることで、初めてお会いするグループでも、そのメンバーのなかの誰が どのような立場か、がすぐに分かることです。もちろん、最上位の方が、いつも上座に座っているとは限らず、ご自分が希望する別の席に座っていらっしゃることもありますが、そうだったとしても、会話のやり取りや、どなたが最初にお座りになるか、などから、総合的に判断すると瞬時にわかります。 お飲み物や、何かをお渡しする際に、どなたを先にすべきかの判断ができる、という点で、席次は “とてもありがたい” ものです。
今回はまず、会議室・応接室といった洋室 に焦点をあてて、押さえておきたい日本のビジネスマナーとして、席次の判断の基本をご紹介したいと思います。これまで、これで合っているのか、どこか不安だった方も、これで、自信を持って正しくお客様や上司に上座をおススメできるようになり、好印象につながりますよ。
まず、分かりやすい判断方法としては、出入り口から遠い席が上座、出入り口に近い席が下座というのが、基本的なルールです。 実際のところ、出入り口に近いと、急にドアが開いて誰が入ってくるか分からず落ち着かないとか、ドアの開け閉めによって冬は寒く夏は暑いなど、快適さの面からも、納得がいくのではないでしょうか。
例えば、下のイラストのような会議室の場合、出入り口から一番遠い①が上座ということになります。上座から下座までの順番は、番号で示している通り、①→②→③→④となります。お客様がいらっしゃった場合には、お客様に①をおすすめし、また、自分が他社を訪問して明確に席を示されなかった場合は、下座である④に座りましょう。
社内のメンバーだけでなく、他社からいらっしゃったお客様と、自社の会議室で会議をする際には、どのように座ればよいでしょうか? 例えば、来客側が3名、自社側が3名の合計6名が、下のイラストのような配置となっている会議室で、会議を行う場合を考えてみましょう。来客側3名と自社側3名は、向かい合って座ります。来客側3名は出入り口から遠いほうに並んで座り、自社側3名は出入り口に近いほうに並んで座ることになります。 そして、それぞれの側の3名の座り方ですが、最上位の人が中心となってお話しやすいように、真ん中に座ることが一般的です。
円形の机が置かれている会議室の場合、上座がどこになるでしょうか? 時計回り? 反時計回り? いえいえ、どちらも正解ではありません。実は、下のイラストに番号で示した通り、出入り口から一番遠い奥の席が最上位の人が座る上座で、その次は、最上位の人から見て右側の人 → 最上位の人から見て左側の人 という順に、右・左・右・左と交互の順番になります。 「出入り口に一番遠い席が上座」であること、また「最上位の人から見て、(左隣りより)右隣りのほうが上座」というルールを知っておきましょう。
会議では、議長がいらっしゃる場合も多いかと思います。そんな場合、通常は、議長に近い席ほど上座ということになります。まず、出入り口から一番遠い場所に議長が着席します。その上で、出入り口から最も遠く、議長に最も近い①の席が上座ということになります。 そして、2番目の人は、①ほどは出入り口からは遠くないものの議長に近い②の席に座ります。あとは、同様に③~⑥までの席が決まります。
会議室の机の配置が「コの字型」ということも、よくあります。そんな場合は、どうでしょうか? まず、出入り口から一番遠い場所に議長が着席します。これは、先ほどの配置の時と同じです。また、議長から見て(左隣りではなく)右隣りが上座というルールがあるので下の図の①の席が上座ということになります。2番目は議長の左側である②ということになり、あとの③~⑧までは同じように決まっていきます。
ここまでは、会議室の席次を見てきました。今度は、応接室に来客を招いて会議をする場合を考えてみましょう。 一般的な応接室では、3人掛けの長椅子と1人掛けの椅子とが組み合わせて置かれている場合があります。このような時は、上座になるのは出入り口から一番遠く、かつ、長椅子である①の場所が上座となります。そして、出入り口から遠い順に②・③となります。そして、自社側の上座は④の席となり、下座は⑤となります。
今度は、応接室に長椅子を置かず、全ての椅子が1人掛けの席となっている場合をみていきましょう。このような場合の上座・下座は、会議室の席次でご紹介した「来客側3名、自社側3名の計6名の場合の席次」と同じ考え方です。つまり、来客側は出入り口から遠いほうに並んで座り、そのうち、中央の位置が上座です。次が② → ③の位置というようになります。
尚、窓の外の景色が良い部屋や、絵画ほか美しい調度品が飾られている応接室の場合は、これまでお伝えしてきたような、出入り口からの距離で、席次が決まるというルールがあてはまらないことがありますので、注意が必要です。出入り口から近い座席に座った方が、眺めが良い場合は、一言添えて、お客様に眺めが良い席をおすすめしましょう。
椅子の種類
1、複数の人が座れる長椅子
2、一人用のひじ掛け椅子
3、ひじ掛けがなく 背もたれがある 一人用の椅子
4、ひじ掛けも 背もたれもない 一人用の椅子
さまざま椅子がありますが、上記に書いた順番の通り「複数人が座れる長椅子」が最も格の高い椅子ですので、上位の方が座り、反対に「ひじ掛けも 背もたれもない一人用椅子」は格の低い椅子と判断し、下位の方が座ります。
オフィス内に応接スペースがある場合も注意が必要です。室内の配置にもよりますが、出入り口からの距離ではなく、「社内専用スペースに近い方に社内の人間が着席」と覚えておきましょう。 パティションなどを挟んでいるとはいえ、真後ろで電話の音や、人の話し声が聞こえ、来客が落ち着かないかもしれないからです。
今回は 席次のビジネスマナー〔会議室・応接室編〕これで安心!イラスト8例付き についてみてきました。 席次は、日本のビジネスパーソンが知っている必須知識ということもあり、ご自身がどの座席に座るように促されるかで、どれくらい配慮されているかがすぐに相手に伝わります。
自社の会議室や応接室だと、事前にゆっくり考える時間がありますが、初めての場所を使っての会議となると、とっさの判断が必要なケースもあります。また、今回は扱っていませんが、和室や乗り物などでは、判断となる要素がまた変わってきます。お客様と接する場面をいろいろ想定して、席次を含む、好感度の高い言動になっているかを確認するロールプレイをしたり、よくある失敗談もまじえて、楽しい研修をご提供していますので、よろしければ お気軽にお問合せください。 (マナー研修・コミュニケーション研修・従業員満足/顧客満足アップ支援のお問合せはこちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2022年5月19日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
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