「暑いんだからジャケット無しの半袖シャツで、もちろんいいよね?」
「今年のクールビズ期間はいつ?」
「スーパークールビズ? これは英語ですか?」
こういったお声に おこたえします。
【本記事の内容】
クールビズ廃止?知っておきたい最新事情 & 服装の基礎知識4つ
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20サミットほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
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クールビズという言葉を耳にしてから、ずいぶん久しいですが、様々な職場で「え? あの人は、ここまでの軽装?」「この人は、全然クールビズの服装じゃないけれど、暑くないんだろうか?」など、いろいろな人がいて、いまいち正解が分からないことも多いですよね。 さらには、「クールビズが廃止!」なんていう言葉も聞くようになった今、疑問は増えるばかりです。
というわけで、今回は、クールビズとはそもそも何か、そして、酷暑のなか、どのように軽装を取り入れるかの判断方法などをご紹介したいと思います。皆さんがふさわしい服装を選ぶ時に悩まず、仕事の成果やお客様満足度アップにつながるよう、お役に立てれば嬉しく思います。
クールビズとは、英語のCOOL(クール)と、BUSINESS(ビジネス)を略した「BIZ」の造語です。海外で、英語としてそのまま言っただけでは通じません。 2005年に、環境省の呼びかけで始まり、室温28℃で快適に過ごせる軽装や、取り組みを促してきました。
クールビズのメリットは、「環境・お財布・私たちの体に優しいこと」と言えるでしょう。 というのも、それまでの日本では、どんなに暑い日でも、ビジネスシーンでは、男性は、スーツにネクタイが必須で、その服装を基準に、オフィスの冷房温度も低めに設定されていました。しかし、過度な冷房によって、消費電力が増え、地球全体の環境悪化にもつながります。また、電力にかかる費用負担も増えます。さらに、暑い場所から、涼しい室内に入った瞬間は、ヒヤッとして気持ちが良いものですが、ずっと室内にいたり、温度差のある場所を何度も出入りしたりするのは、体に負担がかかります。 そこで、暑い時期の服装に対する常識を見直し、快適で地球に優しいライフスタイルを目指して、クールビズが始まりました。
クールビズは、これまで、その実施期間を、環境省が例年5月1日~9月30日と発表していました。さらに、東日本大震災の影響で、夏の電力不足が予測されることから、スーパークールビズ(これまた、すごい造語ですが・・・)として、6月1日からは “室温28度設定” と “ノーネクタイ・ノージャケット” などを さらに徹底する取り組み も 登場しました。
しかし、2021年からは、従来のように 環境省がクールビズ期間を設定した一律の呼びかけは廃止され、服装の調整や、どのような取り組みをするかは、各個人の判断に任せられることとなりました。 確かに、北海道から沖縄まで、地域によっても気温が違い、個人によっても体感温度は違いますもんね。自分の会社や お客様の会社の クールビズ実施期間も事前に確認するようにしましょう。
クールビズでは、涼しい服装なら何でもOKというわけではありません。ビジネスにふさわしいアイテムが必要です。男女別に、注意しておきたい服装のマナーについてご紹介します。
男性のクールビズは、ノーネクタイ・ノージャケットが基本です。職種や企業によっても異なりますが、トップスは 半袖シャツやポロシャツ、ボトムスは スラックスやチノパンなどの着用が一般的です。
ジャケットを着用しないことで、シャツのしわが目立ちやすくなるため、しわになりにくい形状記憶素材の物を選んだり、しっかりとアイロンをあてたりして、清潔感を保つようにしましょう。 また、ノーネクタイの場合、シャツの第1ボタンを開けると、襟元からインナーが見えてしまう可能性があるため、インナーは襟ぐりの広いVネックなどを選ぶことをおススメします。
女性のクールビズの場合、ノーネクタイ・ノージャケットという基本ルールがある男性に比べて、どこまでがOKなのか、よくわからないという人も多いかもしれません。女性のクールビズ時の服装の選び方では、何をポイントにすれば良いでしょうか。
まず、胸元が開きすぎているトップスや、ノースリーブ、キャミソール、シースルーといった服装はNGです。下にノースリーブを着ていたとしても、オフィスではカーディガンや薄手の七分丈ジャケットなどを羽織りましょう。また、ミニスカートやショートパンツなどは避け、丈が短すぎないように配慮します。素足にサンダルなどは、ラフすぎて見えますので、オフィスでは控え、ストッキング着用が基本です。
「今年は ”特別暑い” から、かなり軽装で他社を訪問しても大丈夫ですよね?」と、クールビズの実践については、お客様対応が必要な職種の方から、よくご質問を受けます。「今年は暑い!」と毎年言われている気もしますが(笑)、ご質問への返答を一言であらわすなら、「会う相手と目的しだい」です。
具体的には、
をポイントにして、判断することをおススメします。
まず、初対面では、自社がスーパークールビズだったとしても、初対面の印象は大切ですので、いきなり「かなりのクールビズ」で訪問するのは、リスクが高いです。相手の会社が、服装に関して自分と同程度のクールビズ対応とは限らない という可能性があるからです。世の中にはいろいろな人がいるので、考え方も人それぞれです。
例えば、「クールビズのような軽装でくるなんて、軽く扱われているみたいで不愉快だ」「暑い中きちんとネクタイを締めてジャケットも着て頑張っている姿は好感が持てる」と感じる相手がいる一方で、「暑い中ネクタイを締めてジャケットを着ているなんて、見ていて暑苦しいし、クールビズの時代にそぐわない」と感じる人もいるように、正反対の見方があるからです。 他社を訪問する時だけでなく、個人宅への訪問時も、お客様にはいろいろな考え方の方がいらっしゃるので、しっかりと正装して訪問するのが、初対面での服装としては無難でしょう。
また、自社がクールビズ対応であることを事前にお伝えしておく、ということも出来ます。ただ、“人は「自分と似ている・同じだ」と感じる相手に親しみをもつ”という習性がありますので、少なくとも「この人と自分は違うな」と思われないように、(夏に限らず)特に、初回はきちんと、を意識すると その後がうまくいきやすくなるかと思います。
そして、2回目以降の訪問時は、初回訪問時に得た相手の情報をもとに、どういう格好が一番適切かを考えましょう。お相手がクールビズをしていない場合であれば、2回目以降もネクタイを締めてジャケットを着ていくようにしましょう。 反対に、お相手も軽装で、クールビズに理解がある印象であれば、初回訪問時に「当社はクールビズに取組んでおりまして、次回からはノーネクタイで訪問させていただこうと思いますがよろしいでしょうか?」などと一言伝えておくと、相手に配慮が伝わるかと思います。
銀行などの金融業ほか、固い業界の場合は、相手の方はきちんとした格好をしていることが多いので、それにあわせた服装をこちらも選ぶようにしましょう。反対に、アパレルなど新しいファッションに敏感な業界や、美容業界、IT企業などの場合には、クールビズを取り入れたほうが周囲から浮きませんし、相手から好ましいと感じてもらいやすいと思います。
ちなみに、私どもは、接遇やコミュニケーションのコンサルティングをさせて頂くために、様々な業種の企業様のところにお伺いしますが、相手企業によって、やわらかいイメージの恰好から、コンサバティブ(保守的)な恰好まで、ふさわしいと思える色・デザイン・素材を選びます。 相手の企業がアパレルメーカー様の場合は、出来る範囲で、その企業の商品を身につけて訪問することもあります。また、その場でクールビズの度合を調整するための「変身」ができるように、ジャケットを脱いだとしても だらしなく見えないものにしたり工夫しています。
さらに他の例をあげますと、私どもの会社では、VIP接客の代行 もさせて頂いているのですが、その際は、主催者の方から事前のご指示がない限りは、必ず濃紺~黒のジャケットを着用し、お出迎えなどの最初の出会いの場面では、フォーマルな服装でご挨拶させて頂きます。 理由としては、VIPの方々も正装である場合が多いこと、また、特にヨーロッパのVIPの方の場合は、普段はとてもラフな服装であっても、顧客と会うなど大事なビジネスの場に現れる瞬間などは、とてもビシッとした格好をなさるため、違和感をもたれないことが大切だからです。
相手と会う目的・訪問する理由を考えてから、服装をクールビズにするかどうか、そして軽装の度合を考えることをおススメします。 例えば、謝罪のために訪問するような場面では、クールビズの軽装は考え直したほうがよいでしょう。また、大事な交渉やプレゼンテーションの場などといったシーンでも、同様です。
それぞれの訪問理由を考えて、どのような服装をしていくのが一番適切なのかをケースバイケースで判断してどうするのかを決めることが大切です。クールビズを設定した環境省が、皆さんの顧客対応の結果に責任を持ってくれませんので(苦笑)、しっかりと、相手との関係性・相手企業の業種や社風・訪問理由を総合的に考えて、判断しましょう!
今回は クールビズ廃止?知っておきたい最新事情&服装の基礎知識4つ についてみてきました。「夏だ!暑いし、クールビズ!」とシンプルに考えて軽装を選んだり、「クールビズは絶対にしない」という考え方で正装をすると、自分だけが周囲から浮いてしまい、居心地が悪くなり本来の力が出なくなってしまうかもしれません。相手の地域・相手の考え方に柔軟にあわせる、そして、配慮を示す、 という点が とても大切です。
クールビズなど夏の服装をふくめて、皆様それぞれの目的や、ビジネス・接客の現場に応じた、相手に気持ちが伝わる 身だしなみ の項目策定や、現場での定着化のお手伝いをしておりますので、よろしければ お気軽にお問合せください。(マナー支援・コミュニケーション/マナー研修のお問合せは、こちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2021年7月1日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
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