「ご質問に答えたけれど、なぜかお客様は不満顔・・・」
「お客様に質問をされて、分からなかったらどうしよう?」
「仕事にまだ慣れていない新しいスタッフの不安を和らげるには?」
こういったお声に おこたえします。
【本記事の内容】
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20サミットほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
(㈱フォーシーズインターナショナルの情報についてはこちら)
4月になり、心機一転、新しい職場で、働き始めた人も多くいらっしゃるかと思います。 私どもも、企業やお店の新スタッフ様に対する 接客研修のご依頼が増える季節です。新しいスタッフの方が、不安に感じることのランキング上位に「お客様から、答えられない質問が来たらどうしよう・・・」というものがあります。 基本的なことは覚えても、答えられないようなお客様からの質問が来たら・・・と不安になる気持ち、とてもよくわかります。
ぜひ、職場の先輩に、「お客様は、どんなご質問をされることが多いか」「これまで(最近)どんなご質問を受けたか」 などを聞いておきましょう。 スタッフを指導なさる立場の方は、「よく聞かれる質問」や「最近頂いたご質問」など、共有できるしくみをつくることで、特に新しいスタッフの方のご不安が和らぐかと思います。 可能な限り事前に、多種多様なご質問に答えられるように、勉強や共有など、準備をしておきましょう。ただ、そうは言っても、ご質問に答えられない時もあるかと思います。というわけで、今日は、お客様への質問に答えられない時に、よくやりがちな4つの間違いについてご紹介しますね。
「たぶん そうだと思います。」
「大丈夫なはずです。」
「たしか、そうだったと思います。」
お客様から質問を受けて、こんな返事をしていないでしょうか? はっきりと答えが分かっている時でさえ、つい口癖で、こんなふうに言っている人もいらっしゃるかもしれません。 はっきりとわかっている場合は、
「はい、ご用意できます。」
「大丈夫です。」
「おっしゃる通りです。」
など、正確であることが伝わるように答えましょう。そうすることで、お客様が安心なさいますし、信頼感あふれるコミュニケーションにつながります。
もし、自信がないのであれば、
「ただいまお調べ致します。少々お時間を頂いてもよろしいでしょうか?」
などと、ことわったうえ、確実な回答をしましょう。
「あれ?さっきの1番で言っていることと、矛盾するんじゃない?」と感じたのではないでしょうか。 お客様からのご質問には、正確なお返事を心がけるのが基本ですが、お客様が いつも、詳しく正確な答えを求めて質問なさっているわけでもありません。「もしすぐ分かるなら聞いてみよう」とか、「会話の糸口として聞いてみただけ」など気軽におっしゃっている場合もあります。
そんな時に「確認しますので少々お待ちください。」と引き留めてお待たせするのは、逆にお客様にご迷惑ですので、先ほどの1番のところでふれたように、お客様に「少々お時間を頂いてもよろしいでしょうか?」とことわるというのが、ポイントですね。 相手が「はい、いいですよ」と言った場合、詳細で正確な答えが欲しいということですし、「あ、じゃあ、いいです」「スマホで調べるので大丈夫です」などとおっしゃった場合は、「すぐ分かるなら知りたかった」ということで、それ以上お引き留めしない方が親切と言えます。
なお、その後の姿勢としては、そのようなご質問を受けることがあるのだな、という経験ををふまえて、他のお客様に同じことを聞かれた時は、お待たせせずに返答できるように準備しておきましょう。
広いお店などでは、担当が細かく分かれていることと思います。ご自身の担当ではないことについて質問を受けた時、どんな対応をなさっていますか? 時々見られるのは、「その件の担当は、あちらのカウンターです。」などと、伝える対応です。
例えば、
「Aという商品はありますか?」
「Aの担当は、あちらのカウンターです。」
こんなふうです。
担当が分かれているので、あちらのカウンターに行って下さい、と正しく伝えたつもりかもしれませんが、感じの良い対応とは言えませんよね。
ここでは、2つ問題があります。
まず、1つ目の問題点は、第一声が「自分には関係ない」というようなフレーズであること。 「Aという商品はありますか?」 と聞かれたら、「ご来店ありがとうございます。Aですね。」と、まずは、歓迎の気持ちを伝えましょう。
2つ目の問題点は、自分では対応が出来ない時の 引継ぎの仕方です。自分では対応が出来ない時には、「申し訳ございません。詳しい者に代わりますので、少々お待ちいただけますか?」と伝えて、担当カウンターのスタッフを呼んでお客様に引き継ぐ、または、担当カウンターまで自分がご案内して、引き継ぐようにしましょう。
どうしても忙しくて、きちんとご案内を引き継ぐことが出来ない状況であっても、お詫びをして「あちらのカウンターで詳しい者がご対応させていただいてもよろしいでしょうか。」と丁寧にお伝えしましょう。 聞かれた質問に「担当はあっち」と場所だけ答えるのでは、「聞く場所を間違ってますよ」と、お客様が無知であるとか、接客スタッフが面倒に感じているニュアンスを与えてしまいますので、気を付けたいですね。
お客様に限らず、相手の質問が、常にとても分かりやすい 完全な文章 というわけではありませんよね。 皆さんも、日頃、友人や家族との会話で「ん? 今のは、どういう意味?」と質問の意味が分からなかったご経験があるかと思います。 実際、親しい間柄では、多くの情報を省略して「今晩 なに?」、「郵便 もう来た?」 などの短い文章でも通じるかもしれませんが、それでも、何のことを聞かれているのか不明・・・ ということもよくあるのではないでしょうか(笑)
お客様のご質問の意味や意図がよく分からない時、なんとなく自分の解釈で答えようとする のは、少々危険です。 「それは分かっているんだよ。聞きたいのは、〇について!」 などと、理解されないご不満を、お客様が感じるかもしれないからです。 そんな時はどうしたらよいでしょうか?
「どういう意味ですか?」 とストレートに聞くのは、失礼な印象につながることもありますので、
「雨天の場合はキャンセルになってしまいますが、その場合の〇についてお尋ねでしょうか。」
「失礼ですが、〇の開催日についてお尋ねでしょうか?」
などと、自分の理解が正しいかを尋ねるような言い方をしましょう。
以下は、あるホテルで実際にあったやり取りです。
お客様 「あのー、朝食のビュッフェって、どんな感じなんでしたっけ・・・」
接客スタッフ 「和洋中30種類のメニューです。」 以上。
一見すると、完璧に答えられているように感じるかもしれませんが、実は、このお客様の意図は ~
“ コロナ禍だけれど、最近ビュッフェ形式に戻したのかなぁ、食べ物にはカバーがなくて、自由に自分で取る方式ならちょっと抵抗があるから、せめて朝一番に行こうか、でもビュッフェ形式自体がやっぱり不安だから、ルームサービスにした方がよいのか・・・”
そんなご質問 というか 相談だった、ということがあります。
もちろん、読心術のように、すべて心を読むことは難しいかと思いますが、少し分かりづらいなぁ、と思うご質問の場合は、これで本当にご質問の答えになっているのかな?ということを、いつも考えておく必要があります。 さきほどのビュッフェのご質問なら「和洋中30種類のメニューでビュッフェ形式です。」の後に、「朝の6時から10時までご利用いただけます。何かご不安なことはおありでしょうか?」 など、相手の聞き方(心配そう・楽しそうなど)次第で、「具体的にご心配なこと」を伺うとか、もし、ツアーや物販の商品についてのご質問なら「一番気になる点」「こだわっていらっしゃること」を伺うなど、内容によってアレンジして、ご質問に答えられているか お尋ねするとよいかと思います。
今回は 【顧客満足度を上げる】お客様のご質問に答えられない時にやりがちな4つの間違い についてみてきました。まずは、スタッフ同士で、最近どんなご質問を頂くのかを共有することで、特に新しいスタッフの緊張が和らぎますし、また、全スタッフが事前に返答の準備をできますので、顧客満足にもプラスに働きます。
今日ご紹介した、①正確な表現をする ②時間をかけて調べる対応がいつも良いとは限らない ③担当者の場所を伝えるだけでは不十分 ④ご質問の意図を知る、という4点がスムーズに実践出来ると、お客様に大変喜んで頂けます。皆様の現場で想定される さまざまな質問への返答トレーニングをしながら、ワンステップ上のコミュニケーションや瞬発力が身につく楽しい研修をご提供しておりますので、よろしければ お気軽にお問合せください。(コミュニケーション研修・接客販売研修・マナー研修・接遇マナー支援のお問合せはこちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2022年4月21日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
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