「ワゴン車で一番良い席はどこ?」
「タクシーで上座を嫌がるクライアント。なぜ?遠慮してるだけ?」
「そもそも席次とは?上座と下座を判断するポイントを知りたい」
こういったお声に おこたえします。
【本記事の内容】
席次のビジネスマナー〔乗り物編〕これで安心!イラスト6例付き
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20サミットほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
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部屋や乗り物など、さまざまな場面で、座席の順序(序列)があり、それを 『席次』 といいます。 前回の 会議室・応接室の席次の記事 につづいて、今日は、乗り物編をみていきましょう。 大事なお客様や上司と一緒に、電車や飛行機、タクシーなどで移動する機会もあります。「え? 乗り物にも席次が決まっているの?」「エレベーターの立ち位置まで考えるの?」と衝撃かもしれませんが(笑)、相手に上座(最も良い席)をおすすめすると、相手への敬意や配慮を示すことができて、好印象につながりますよ。 席次判断を間違えず、さっと、自分は下座(最も下位の席)のほうに動けるように、6つの乗り物の場面での席次判断を ぜひご参考になさってください。
車のなかで最も安全な場所と考えられる、運転席の後ろの座席が、上座です。反対に、助手席は、道案内や支払いなどやるべきことがあるため、最も下座となります。後部座席の3つの座席のなかで比較すると、座り心地が悪い中央席が下座です。
お客様には、上座である①の座席をお勧めしますが、一番奥の席は乗り降りがしにくいという側面があります。お着物をお召しの方や、身体的な理由ほかのため、入り口近くの②の座席に座ることを希望なさる方もいらっしゃいます。お着物をお召しの方や、①の座席をお勧めして少々戸惑った様子のお客様の場合には、「こちらのお席の方が、乗り降りしやすいでしょうか?」などとご希望をお聞きすると、「この人はよく気がつく人だなぁ」と喜んで頂けるかと思います。
社用車としても増えている、3列シートの車の場合はどうでしょうか。 2列目がゆったり座れることから、上位の方にお勧めします。逆に、乗り降りがしづらい3列目は、下位の人が座るようにします。
安全性や快適性を元に考えると、上座から順に「運転手側の2列目」→「助手席側の2列目」→「助手席」→「運転席側の3列目」→「助手席側の3列目」→「3列目の中央席」というのが正しい席次です。 しかし、お客様が5名、自社からは自分だけ、というような場合は、自分が⑥の位置に座らず、助手席に座るなど、役割なども加味して席を決めることが一般的です。 また、VIP顧客をお乗せする時は、すべての座席を使わず、ゆったりお過ごしいただけるように、あけておく座席を設定しましょう。
では、タクシーではない車で、運転をするのが上司だとか、お客様側が運転する車に乗せて頂くような場面ではどうでしょうか? そのような場合は、助手席が上座となりますので、注意しましょう。運転をする人と会話をしやすい横の席に上位者が座ることで、運転をする人への敬意を示せるからです。
飛行機では、窓側席が上座、通路側が下座となります。窓側の方が景色がよく、様々な人が歩く通路から遠いほうが、落ち着くという理由からです。2人掛けの座席配列では、窓側が上座で、通路側が下座ですが、では、3人掛けの座席配列ではどうでしょうか? 通路側座席より、3席の中央座席の方が快適さでは劣るため、下のイラストのように、中央座席が下座となります。
ただ、通路にでやすいから通路側座席が好き、窓側座席はまぶしいからイヤだ、暑い・寒いなど、いろいろなお好みや状況がありますので、大切な方のご意向を最優先してお勧めするといいですね。
飛行機に続いて、次は、電車の席次をみていきましょう。電車の場合も、基本的に飛行機と同じ考え方ですが、新幹線や特急などで、座席を回転させて向かい合わせた配置にした場合の席次はどうなるでしょうか? 「窓側が上座」かつ「進行方向に向いたほうが上座」というルールに沿って、下のイラストのような席次になります。 ただ、“進行方向に向いた通路側席のほうが、進行方向と逆向きの窓側よりも 快適なので 上座だ” とする、進行方向上位の考え方もありますので、2番目に上位の人が、下図の②と書いた位置か、③と書いた位置か、どちらを望まれるか「進行方向と逆向きですが、窓側のほうがよろしいでしょうか?」「こちらの通路側が、よろしいでしょうか?」などと必ずお聞きしましょう。
また、車両の端の座席の場合、ドアの開閉音や、人の出入りも多いため、ドアから遠い座席を上座とします。その場合も、上司やお客様に「ドアがあるので、こちらのお席になさいますか?」などとご意向をお伺いするようにしましょう。
エレベーター内での立ち位置にも、席次があることに驚かれるかもしれません。お客様には、上座である後方位置をお勧めします。操作盤が左右どちらの位置にあるかにかかわらず、エレベーターの右奥(ドア側から見て左奥)が最も上座です。そして下座は、操作盤の前です。階数や開閉のボタンを押す仕事があるためです。 尚、左右両方に操作盤がある場合は、最も上座である位置から一番離れた、出入り口から見て右の操作盤の前が、最も下座です。 お客様や上位の人とエレベーターに乗ったら、自分は操作盤の前に立ち、「開く」ボタンを押し続けつつ、降りる階のボタンを押しましょう。
今回は 席次のビジネスマナー〔乗り物編〕これで安心!イラスト6例付き についてみてきました。 席次は、日本のビジネスパーソンが知っている必須知識ということもあり、ご自身がどの座席に座るように促されるかで、どれくらい配慮されているかがすぐに相手に伝わります。
会議室や応接室にくらべて、乗り物の席次は、お一人お一人の好みがでやすいという特徴がありますので、基本の正しい席次を理解した上で、相手のご意向をお伺いして、お好みを最大限尊重するようにすると親切ですね。お客様と接する場面をいろいろ想定して、席次を含む、好感度の高い言動になっているかを確認するロールプレイをしたり、よくある失敗談もまじえて、楽しい研修をご提供していますので、よろしければ お気軽にお問合せください。 (マナー研修・コミュニケーション研修・従業員満足/顧客満足アップ支援のお問合せはこちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2022年5月23日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
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