「頑張って接客しているのに、喜ばれていない気がする」
「苦手な上司と二人だけの面談が苦痛」
「パーソナルスペースってどういう意味?」
こういったお声に おこたえします。
【本記事の内容】
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20ほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
(㈱フォーシーズインターナショナルの情報についてはこちら)
皆さんは、「お店で、ぐいぐい近づいてくる店員さんに 居心地が悪くなり、何も買わずに帰ってきた」とか「上司が近くに立って 指示をする時、とても圧迫感を感じる・・」などという経験はないでしょうか? 相手と自分との間の距離(実際の長さ)によって、受ける印象は大きく変わります。 相手が自分に近づいたときに不快に感じる範囲は、“パーソナルスペース”とも呼ばれています。顧客心理や、社内の人間関係のために、今日は、距離によって、さらに良いコミュニケーションがとれるヒントをご紹介したいと思います。
では、具体的にみていきましょう。相手との距離が人の心理に影響を与えることについては、“近接学” という分野で研究され、1966年、アメリカの文化人類学者のエドワード・T・ホールは、対人距離を4つに分類し、それらをさらに近接相と遠方相の2つに分類しました。 合計8つのカテゴリーは、以下の通りです。
親しい人だけに許される距離
近接相:0~15cm〔抱きしめられるくらいの距離〕
遠方相:15~45cm〔簡単に手で相手に触れられるくらいの距離〕
相手の表情が読み取れる距離
近接相:45~75cm〔どちらか一人が手を伸ばせば相手に触れられる距離〕
遠方相:75~120cm〔両者が手を伸ばせば指先が触れあうことができる距離〕
相手に手は届きづらいが、会話ができる距離
近接相:1.2~2m〔知らない人同士が会話をしたり、商談をする場合に用いられる距離〕
遠方相:2~3.5m〔公式な商談で用いられる距離〕
複数の相手が見渡せる距離
近接相:3.5~7m〔個人的な会話でなく、講演者と聴衆と言うような場合の距離〕
遠方相:7m以上〔相手の顔や表情がよく見えないくらいで、式典や演説など、とてもフォーマルな場面でとられる距離〕
最近よく耳にする「ソーシャルディスタンス」は、感染予防のために、社会距離(ソーシャルディスタンス)よりも近い距離、つまり、密接距離や個体距離に入るのは、控えましょうという意味です。 ただ、この言葉は、実は コロナ感染対策によって急に生まれたのではなく、コミュニケーションの分野では、これまでもよく使われてきました。
さて、これまで4種類の対人距離についてみてきましたが、相手と自分がどの距離にいるのがふさわしいかは、それぞれの人と、それぞれの場面に応じて、判断する必要があることに注意しましょう。 つまり、機械的に、「相手の年齢、性別、出身国、役職の違い、今日までに何度会ったことのある人か」などで、ベストな距離が何センチと決まるものではなく、そういった情報もふまえたうえで、さらに「相手が何か居心地が悪そうだ」と観察したり、「今日の会話は〇についてだから、相手には落ち着けるスペースが必要だろう」とか、個別に判断する必要があるのです。
判断をして、距離を調節することで、さまざまな属性のお客様や同僚との 関係がうまくいきやすくなります。 自分が落ち着く距離、自分がいつもとりがちな距離、などと、自分の好みで決めていると、相手に圧迫感を与えたり、相手によそよそしさを感じさせたり、皆さんの望む成果につながりづらくなります。これまで「距離」を意識しなかった方は、ぜひ今日から取り入れてみて下さいね。
友人なら、相手が近すぎると感じた場合は、そのように伝えやすいものの、相手がお客様や上司だったら、ハッキリと言いづらいものですよね。 そんな時には、まず、自然な 他の動きと合わせて後ろに半歩移動しましょう。それで距離が確保できればよいのですが、もし、相手も半歩また近づいてきた・・・そんな場合は、距離ではなく、角度をアレンジしましょう。真正面で近づくと、とても圧迫感がありますので、相対する位置から 横に並ぶように角度を変えると、不安や不快感が少しやわらぐと言われますので、そういった工夫も試してみて下さいね。
今回は 対人距離は良いコミュニケーションの鍵!パーソナルスペース4種類 についてみてきました。 これまで、接客の現場や オフィス内で、なんとなく意味なく、いつもこの辺りに立つ、なんていうこともあったかと思いますが、「距離」をコミュニケーションに意識的に取り入れることで、より親しくなったり、より本音を聞き出しやすくなったりするかと思います。
私どもの研修では、相手がどれくらいの距離まで来たら、自分が不快に感じるのか、パーソナルスペースをいろいろな状況設定で変えて、違いを体験するということも行っています。相手のパーソナルスペース、そして自分自身のパーソナルスペースを尊重する、具体的なコツを実際に楽しく体験しながらワンステップ上のコミュニケーションを学んで頂けますので、よろしければ お気軽にお問合せください。(接遇マナー支援・接客販売/マナー研修のお問合せはこちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2022年3月9日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
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