「大事なお客様対応の経験が浅いスタッフに、何を教えればよい?」
「VIPゲストのどんなポイントを覚えておくと、良い関係が作れる?」
「顧客満足をあげるためのコツが知りたい」
そんなお声に ヒントになるよう、おこたえします。
【本記事の内容】
日本人VIP接遇 & 外国人VIP接遇で “記憶”すべき 7ポイント(前編)
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、 日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20ほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
(㈱フォーシーズインターナショナルの情報についてはこちら)
VIPとは、公職の立場にある著名人だけでなく、自社にとっての大切なお客様 という広い意味が想定されますが、例えば、ある時、急に社内で「〇さんに、大事なお客様の対応を任せよう」などと言われるわけです。 そして、これを光栄なことと、と感じる人もいれば、「え?なんで私が?」と胃が痛くなる人もいらっしゃるようです(笑) そうして慌てて、私どものVIP対応研修に興味を持たれる、ということも実際よくあるのですが、今日は VIP接遇に必須とされる1つの要素について考えていきましょう。
その要素とは、『 VIPゲストを個別に見ていることが伝わり、具体的な対応内容にも 喜んで頂けることにつながる、接客者の“記憶” の活用 』です。ゲストが価値を感じられる “記憶を生かした接客” についての今回の記事を、接遇のヒントに活用していただければ嬉しく思います。 連携や時間管理など他の要素については、別の記事でご紹介していますので、下記をご参考になさってください。
【VIPについて その他の記事】
皆さんは、大事な顧客がいらっしゃった時に、そのお顔をパッと見ただけですぐに気づくでしょうか? あらかじめ予約が入っているなら、準備しているから分かる、という方も多いかもしれません。特に最近は、マスクをしているので、余計に判別しにくいですよね。
顔だけでなく、背格好、髪型、服装、持ち物 など様々な要素がありますが、予約無しにフラっと立ち寄った時に 気づかれないと、お客様としてはさみしいものです。 一般に、企業や店舗で使われる 顧客リストなどの場合は、お名前ほかの情報が 文字で書かれているだけ のことが多いのですが、ある一部のスタッフだけでなく、他のスタッフもすぐに気づけるように、お顔や外見の写真も共有できるといいですね。お客様のSNSや、その方の所属団体のホームページなどから、また、VIPの方の場合、何かしらの機会にメディアに登場なさっていることもあるので、それを活用してもよいかと思います。但し、くれぐれも、情報管理は厳重に行いましょう。
以前、あるイベントでこんなことがありました。その日に来る予定のない あるVIPがちょこんと座ってご友人とご歓談していらっしゃるのです。「うーん、似ているなぁ」と思い、お顔をよく確認して確信し、主催者にもお伝えしましたが、主催者の方は「今日はいらっしゃらないはずですよ、明後日のご予定ですし・・・」とちょっと疑い顔。 結局、ご本人ということが分かり、「早い段階で気づけて良かった~、教えてくれてありがとう!」と感謝してくださいました。
出会った最初の瞬間に 気づくか/気づかないか という話だけではなく、しばらくご滞在になるような場合、最初に比べて、元気がなさそう など 見た目で変化に気づくこともあります。 顧客リストの情報や 引継ぎ事項だけでなく、自分自身が得た 視覚情報ほか、五感をはたらかせて 人と接することは、より相手のニーズに沿った接客につながるかと思います。
「顔は認識できるんだけど、お客様にかぎらず 最近 、人の名前がでてこなくてね~ 」 なんていう人も いらっしゃるかもしれません。 しかし、特に相手がお客様の場合は、パッとお会いして「〇様、お久しぶりです」といったように、顔が認識できて、お名前も出てくるのが、当然ながらベストです。
プロの接客者は、お顔と名前がきちんと一致します。例えば、某ホテルの正面玄関でゲストを出迎えるスタッフの方は、何千人ものお客様と車情報を覚えていて、お客様がお車でホテルの車寄せにご到着になる時、 車種やナンバーを見ただけで、どなたかが分かり、車からお客様がお降りになる瞬間に、「おはようございます、〇様」と呼びかけ、ホテルのイメージと信頼感アップに大きく貢献しています。そのために、日々努力なさっているわけですが、車、お名前、会社名、顔写真を記載した、独自のノートを作っていらっしゃいます。 そんな話を聞いて、「え?自分には無理だ~・・・」と思った方もいらっしゃるかもしれませんね(笑) さすがに何千人も覚えるのは難しいかもしれませんが、少なくとも、自分達の大切な人のお名前や顔は 出来るだけ覚えておきたいものですね。
尚、外国人VIPゲストの場合、お名前で呼びかけるネームコールは、「するとプラスになる対応」というより、「最低限の対応」と理解したいところです。 また、他のお客様に、ネームコールしたお客様のお名前が丸聞こえということのないように、声の大きさやタイミングの気配りもお忘れなく。
店舗や宿泊施設など、以前にご利用頂いている場合は、きちんと記憶しておきます。この場合の記憶については、自分の頭だけではなく、メモや顧客カードなど 記録も活用するといいですが、ただ、そのデータを見ないと、ご利用になったかどうかさえ全然分からない、というのでは困ります・・・。
飲食店でしたら、以前はどのようなメニューをご提供したのか重ならないように、物販店でしたら、以前は何をご購入になったのか、ホテルのコンシェルジュやツアーデスクであれば、以前お勧めして行かれたコンサート・文化体験は何だったか、などなど、これくらいは押さえておかないと、お客様はリピーターとしての価値を感じられないでしょう。
好きなモノより、嫌いなモノについて、先に書いているので「え?嫌いなモノ?」と、少しびっくりされたかもしれません。 人間、いくら好きなものが提供されても、嫌いなモノが入っていると、そちらのインパクトの方が強くて、その苦手・嫌いなモノが、すべてを台無しにすることもあります。 まずは、お苦手なモノは避ける、という姿勢でいたいですね。 以前、ある方が、ニワトリがお嫌いで、チキンを召し上がらないのはもちろんですが、お皿に描かれた鶏も見たくない、ということでした。
お嫌いなモノは、直前に知っても対応が難しいため、余裕をもって事前に知っておき、対策をとりたいですよね。 外国人VIPの方の場合でしたら、来日前に、こまかくお尋ねすると良いかと思います。この時「食べられないものは、ありますか?」という聞き方では、健康上・宗教上食べられないものは特にない、と言われてしまい、でも 実際には「あまり好きじゃない」というものが多々ある、そんなケースも生じます。そうならないために、先方とニュアンスなどまできちんと確認しておくことをおススメします。
ちょっと余談ですが、海外ミュージシャンが来日する場合の契約書には、非常に細かく書かれた付帯条項があり、「食事はこれ、飲物のミネラルウォーターのメーカーはここのもの」などなど規定されています。 これに違反したら、ペナルティとかコンサート中止 になってしまうわけですから、恐ろしいですね・・・。 このような契約書ほどではないにしろ、細かく自分の希望を伝える、聞いてくれることについて、外国人VIPは面倒だ、とはお思いにならないことが多いと言えます(あまりにもダラダラとしたメールが頻繁に届くのではない限り)。 「自分のことを察して!」という文化ではないため、積極的な質問は好意的に理解されます。(詳しくは、【楽しく異文化理解】の記事 → ハイコンテクスト・ローコンテクストとは? コミュニケーション方法の違い をご覧ください。)
今回は、日本人VIP接遇 & 外国人VIP接遇で “記憶”すべき 7ポイント(前編) をみてきました。 5~7番目のポイントについては、後編でご紹介したいと思います。 “記憶” を生かした接客対応は、相手にその努力や誠意がよく伝わります。そして、自分のことをよく分かってくれている、分かろうとしてくれている、と価値を感じて下さることにつながります。
逆に、他のお客様のことと混同したり、複数回利用しているのに「はじめまして」という態度では、人の承認欲求は全く満たされず、その場・その店で、歓迎された心地よい空気を感じることはないでしょう。皆さんの努力や気遣いがきちんと伝わり、接客や交流の場が有意義なものになるよう、VIPをお迎えするにあたっての準備リストの作成や接客監修、また、国内外VIP対応のための楽しいトレーニングもご提供していますので、よろしければ お気軽にお問合せください。(研修や接客支援・監修のお問合せはこちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2022年2月4日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
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