「コースターやストローはどう出すの?」
「こぼしたり落とさないトレーの持ち方のコツが知りたい」
「自社の来客応対のレベルを上げたいが、どう指導したらよい?」
こういったお声に おこたえします。
【本記事の内容】
【来客応対のマナー】コーヒーや冷たい飲物の出し方 と
こんな時どうする?7選
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20サミットほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
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来客がお見えになると、まずは温かいお茶をお出しすることが、日本のビジネスシーンでは多いものの、夏には冷たいお茶、アイスコーヒー、また、温かいお茶ではなくコーヒーをお出しするなど、会社によって・お客様によってさまざまなバリエーションがありますよね。
温かいお茶でない場合は、砂糖・ミルク・ストローなど、付随するモノの扱いに迷ってしまうこともあるかと思います。今日は、温かいお茶以外のお飲み物を出す時のビジネスマナーや、こんな時どうする?というテーマで、皆さんが「さすが この人・この会社は違うなぁ」と思われ ご自身や自社の差別化につながるように、ご紹介したいと思います。
コーヒーカップをソーサーにセットする時、持ち手を右側にするか、左側にするか、ふと分からなくなることってありますよね。 結論を先にお伝えすると、右でも左でもどちらでも大丈夫です。しかし、それだけでは「で、どうしたらよいの?」と皆さんを悩ませてしまうかもしれませんので、補足でお伝えします。 日本の高級ホテルやレストランなどでは、どうしているのかと言いますと、持ち手を右側にしてお出しするのが主流です。
また、その他の判断材料として、温かいお茶をお出しする時の 茶碗の向きのところで書いた通り(→ お茶の出し方の記事)、もし、コーヒーカップに絵柄が入っている場合は、その絵柄が見やすいよう、お客さまの正面にくるような向きにしてお出しします。 何名かのお客様がいらっしゃる時は、この人には持ち手が右向き、お隣りの人には左向き、とバラバラにせず、統一して向きを揃えましょう。
ブラックでコーヒーをお飲みになることが分かっているお客様の場合や、アメリカ人のお客様がいらっしゃる場合は、持ち手を右側にすると良いかと思います。この方法は、ブラックでコーヒーをお飲みになることが多いアメリカ人にちなんで “アメリカ式” と言われますが、スプーンを使う必要がないので、コーヒーをお出しして、そのまますぐに 右手で飲んでいただけるように、持ち手を右向きにしておきます。
一方、持ち手を左側に向けて出すのは、“イギリス式” です。砂糖やミルクを入れ、右手でスプーンを使ってかき混ぜるわけですが、その時に、左手で持ち手をつまみやすいように、持ち手を左向きにしておく方法です。
コーヒーに、砂糖やミルク、スプーンを個別にお出しする場合は、ソーサーの上に置きます。
・スプーンは持ち手が右側になるように、カップの手前に置きます。
・スティックタイプの砂糖は、スプーンに沿う形で置きます。文字が入っている場合は、文字の向きにも気を配りましょう。
・角砂糖であれば、スプーンの左側に置きます。
・ポーションのミルクも、スプーンの左側に置きます。
以上のセットができたら、ソーサー部分を両手で持って、お客様の右後方からお出しします。 お茶をお出しする方法と同じで、入室したら、お盆はサイドテーブルなどに一旦置いて、上座からお1人ずつお配りしていきましょう。
夏場などの暑い日は お茶・アイスコーヒーなど、冷たいお飲み物を出すこともあるかと思います。アイスコーヒーは、コースターやストローなどお出しするモノが多く、「これを 全部どうやって出せばいいのだろう」と迷ったあげく、ワシャっと全部 一気に持ってくる人もいれば、アイテムを一つずつ サイドテーブルとお客様の間を行ったり来たりしながら出す人もいて、人の個性がこんなところにも でますよね(笑)
では、冷たい飲み物の出し方を、アイスコーヒーの場合を例にとって、みていきましょう。 まず、お客様の右後方から、コースターを敷き、その上にグラスを置きます。そして、ストローをグラスの手前に横向きに、または、グラスの右横に置きます。砂糖やミルクはグラスの右横に置きます。 全員分のコースターを敷いてから、グラスを置いていく、という流れではなく、お客様お1人ずつに対して、コースター → グラス → ストロー → 砂糖&ミルク をお出ししていきます。
ただ、ここで「え?4回行き来するっていうこと?」と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。来客人数が多い場合などで、この4回という回数を減らすなら、砂糖とミルクは全員がお使いになるわけではないので、砂糖&ミルクのポーションをいくつか入れたカゴなどを使う、または、紙ナプキンを小さなトレー代わりにして、ストローと砂糖&ミルクを一緒にお持ちする、などということも出来ます。
会議が長引いた時は、2杯目のお飲み物をお出しします。その際、例えば、最初が日本茶だった場合は、2杯目にはコーヒーのように、1杯目と2杯目の飲物の種類は変えた方が、お客様の気分もリフレッシュされますし、おもてなしの気持ちがより伝わります。新しいお飲み物は、1杯目の飲み物を下げてから、お出しします。 もし、1杯目と2杯目と同じ種類の飲物をお出しする場合は、茶碗にお茶を注ぎ足すのではなく、茶碗&茶托ごと下げてから、お茶の入った新しい茶碗&茶托を置く、というように交換をします。
尚、2杯目をお持ちするタイミングについては、臨機応変に状況をみて判断しましょう。一般的には、2杯目を出すタイミングは、1杯目のお茶を出した30分くらい後 と言われています。しかし、全体でどれくらいの会議の長さか、なども考慮し、機械的に30分に1回飲み物を持って行ったりしないようにしましょう。
事前に聞いていた お客様の人数分、お茶を応接室にお持ちしたら、お茶の数が足りない!? なんていうこともあります。 焦って、何度もお客様の人数を 指さしながらカウントし始めるスタッフの方を 見たこともあります(笑) 気持ちはよく分かりますが、焦らず、こんなふうに対応すれば、大丈夫です。
ポイントはお客様のお茶をお待たせしないことです。ですから、まず、上座にお座りのお客様から順にお茶をお出しします。足りない分は、下座に座っている自社の社員の方にお待ち頂くかたちで対応します。その方には「あらためてお持ち致します」と一言添えるといいですね。そして、一旦退室して、お渡しできていない自社の社員の方にお茶を淹れてお出しします。
予防策としては、受付から会議室までご案内している時に、人数を自然な形で把握すること、または、事前に5~6名いらっしゃると聞いていたら、多めに準備しておくといった工夫ができます。
お客様が「お茶は結構です。」とおっしゃった場合、その言葉を真に受けてよいのか、悩んでしまいますよね。こんな時には、いろいろな対応が考えられます。というのも、おもてなしに何より必要なのは、相手の状況や気持ちを配慮することですので、同じ言葉でも、いろいろな違った正解があるためです。
・急いでいるなど、短時間しかいない(すぐに帰る)ので、お飲み物をお出し頂いても飲めないです、という意味
・内密に大事な話をしたいので、お茶を持って入室してほしくないんです、という意味
・遠慮して「お構いなく」、という配慮
など。
その真意がわかりづらい時は、自社の担当者に念のため確認するのも、一つの方法です。担当者が「すぐお帰りになるから本当にお茶は不要」「ちょっと込み入った話になるから、こちらが呼ぶまではお茶は不要」など、判断なさるかと思います。相手のお客様との関係性にもよりますので、「いつもこうすれば間違いない」という正解があるわけではないのですが、対応例をご紹介しますので、よろしければご参考になさってください。
◆ お断りになっても、一応はお飲み物をお出しし、お飲みになるかどうかはお客様にご判断頂く。
◆ 面談のキリの良いところで、担当者に連絡してもらい、そのタイミングでお飲み物をお持ちする。
◆ お客様のおっしゃる通り、お出ししないが、持ち帰って頂けるように、ペットボトルのお水やお茶などを準備しておく。
新型コロナ感染予防のため、最近は、ペットボトルのお茶やミネラルウォーターを使い捨てコップで出している会社も増えています。茶葉からお茶を淹れるという部分は省略されても、お客様へのおもてなしの気持ちは簡略化せず、心をこめておもてなしをする工夫を考えていきましょう。
まず、お客様によっては、人前でペットボトルに直に口をつけて飲むのは、ちょっと・・・と感じる方もいらっしゃるため、使い捨てできる紙コップやプラスチックのコップを用意しておきましょう。 事前に飲物をテーブルの上にセッティングしておく場合は、ほこりが入らないようにという心遣いで、ペットボトルの上に紙コップをかぶせておくのでも構いませんが、お客様がいらっしゃってからペットボトルをお持ちする時には、お客様の右後方から、先にペットボトルをお出ししてから、紙コップを置きます。「ペットボトルのまま失礼いたします」と一言添えると好印象ですね。 コースターもお出しするなら、ペットボトル → コースター → 紙コップ の順に置きます。 ペットボトルのお茶を、夏には冷やしておく、冬は温めておくと、おもてなしの気持ちが伝わるかと思います。
お盆に たくさんの飲物をのせている時だけでなく、二人分しかのせていなくても、ちょっとした瞬間に手元が不安定になり、こぼしたり、落としてしまったり、ということが稀に生じます。「早くお出ししないと・・・」と焦ったり、ふと気が散った時に、起こりがちですが、予防策をぜひ知っておかれるとよいかと思います。
まず、お盆の上の、どこに何をのせるかを工夫して、安定させます。背の高いグラスやペットボトルなど、倒れやすいもの、また重いものは、お盆の上の自分側にくるよう配置します。 こぼしたり落としたりしやすい ちょっと危険なタイミングは、入室してお辞儀をする時や、廊下を曲がる時、歩くスピードを変える時、などです。そのような時は、特に手元に意識を集中させ、ゆっくり行動しましょう。
持ち手がついたお盆の場合は しっかり握り、持ち手がついていない 丸いお盆などの場合は、両手の指でお盆の端のほうを握るのではなく、左手の指をじゃんけんのパーのように軽く広げ、お盆の下部を 開いた指全体で支え、右手はお盆の右端に添えるようにすると、安定しますよ。
今回は 【来客応対のマナー】コーヒーや冷たい飲物の出し方&こんな時どうする?7選 についてみてきました。 来客応対というのは、お客様が、その会社の印象を判断する大事な機会です。お客様は、担当者だけを見ているのではなく、一歩会社に入った瞬間から、いろいろな視点から “その会社の雰囲気”を感じていらっしゃいます。
来客応対をするスタッフの方は、自分の印象が会社の印象という意識を持って対応することが大切です。具体的にどんなふうにすれば 良い印象を与える来客応対ができるのか、ロールプレイをしたり、よくある失敗談もまじえて、楽しい研修をご提供していますので、よろしければ お気軽にお問合せください。 (マナー研修・コミュニケーション研修・従業員満足/顧客満足アップ支援のお問合せはこちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2022年2月15日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
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