「接客で、本当にノーと言わないなんて出来るの?」
「お客様からどんどん無理難題がくるのではないかと心配」
「顧客満足を上げるには、どういう方法があるのか?」
こういったお声に おこたえします。
【本記事の内容】
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20ほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
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NOと言わないサービス、と皆さんも耳にしたことがあるかもしれません。接客業だけでなく、ビジネス全般で、相手に対して「ノー」とお断りをしない対応ができるのは、非常にレベルの高い接客とか、できる社会人だと、よく言われます。そんなふうに聞くと、「うちは高級な店ではないし、関係ないよ」とか、 「本当にノーと言わなければ、経営が苦しくなってくるんじゃないの?」 「お客様からの無理難題がどんどん増えるんじゃないの?」と心配する方もいらっしゃるかもしれません。
実は、NOと言わないというのは、実際にどんなことにも絶対お断りしない、という意味ではなく、ご要望をかなえられるように精一杯努力するものの、そのご要望への対応が難しい時には、接客する側がお客様にお断りするのではなく、代わりの案をご提案して、お客様に決めてもらうように対応する、ということです。つまり、対応が難しくても、接客する側からお断りをしない というのが、ノーと言わない対応という意味です。
満席や満室、在庫がない、急ぎの対応がどうしても難しい時などに、ノーと言わない接客を実現するためには、3つのポイントで考えると分かりやすいかと思います。それは、① 言い方 ② 潜在的なニーズを知る ③ 必ず代案 の3つです。
すぐにご要望に100%の形では添えないことを、謝罪の気持ちを伝えながら伝えることが大切です。 「もう、ありません。」「当店ではやっていません。」のように、事実を伝えるだけで終わらせると、声のトーンや話すスピードなどにもよりますが、ピシャリと冷たく断られた印象になってしまうからです。「わざわざ電話をしてくれて嬉しい!」というように相手を受け入れる言い方だと、来店する前から好印象ですね♬
相手が、なぜそう要望しているのか、その意図や、本当の目的は何かを知ることが、次のステップである「どんな代案ならその人にとって意味があるのか」につながってきます。ふさわしい代案を提案するためにも、「何にお使いでしょうか?」など、具体的に相手に質問するのは、とても良いことです。
ご要望にそった内容を考えて、代わりの提案する ということです。代案を言うことに慣れている人は、“常に頭が代案思考” で、これがダメならあれでどうだろう?などと普段から考えているので、代案を考えて伝えるのはそんなに難しくはないでしょう。普段あまり代案を伝えていないなぁ、と感じる人は、こんなご要望の時は どんな代案がよいだろうか、などと事前にイメージしておくと活用できますよ♬ また、きちんと相手のニーズを把握して、代りの案をご提案していると、自分を大事にしてもらっているという満足感が感じられ、満足していただけるとそれ以降は無理難題をいうどころか、逆に接客スタッフ側に協力的になってくださることすらあります。
それでは、さまざまなケースで、具体的に代案を考えてみましょう。
こんな場面を考えてみましょう。
ある飲食店で予約の電話がかかってきます。「今度の土曜日の12時から3名で予約をお願いできますか?」しかし、その時間帯は、すでに予約でうまっています。そんな時、「あ~、その時間は、無理ですね。もうお席がいっぱいです。」と言うだけだとお店側が断ったことになります。
「申し訳ありません。この時間は、あいにく、ご予約でいっぱいなんです。13時からでしたら大丈夫ですがいかがでしょうか?」 「日曜日でしたら12時からお席をご用意できますがいかがですか?」「店内ではなく、テイクアウト用にランチをご用意できますがいかがでしょうか?」など、相手のニーズに合わせて、いろいろな代りの案が考えられます。
やはり、人気があるお店は、いつも予約でいっぱいですが、そんな時に、ただただ「その日は無理です」だけで断ると、自分が大事にされていない気がして「もうこのお店はいいわ」と他にお気に入りのお店を見つけるということにもなりかねません。
他にも、食事中に、「セロリだけ苦手だから、抜いてほしい」「寒いからあっちの席に移動したい」などいろいろなリクエストがありますが、すぐに完璧にご要望に沿った対応が難しいことがほとんどでしょう。そんな時にも、「謝罪や相手を受け入れる言い方・潜在的なニーズを考える・必ず代案」の3ステップで対応しましょう。
「このAというメニューですとセロリを無しにするのは難しいのですが、Bという似たメニューですと、セロリは全く入っていないので、いかがでしょうか?」
「あちらの席が空き次第、ご移動していただけるように致します。それまで、ブランケットをお使いになりますか?」 など。
個人個人がその場で考えるのでも良いのですが、それだと、経験値などで、接客に差が出ますので、まだ慣れていないスタッフの方がノーを言わない接客をするには、普段から、メンバー全体で、代案の事例の共有をなさることをお勧めします。
アパレルショップでは、どんな例が考えられるでしょうか?
「このサイズの青いバッグが欲しいんですけど」 → 「申し訳ありません。あいにく、在庫がないのですが~」の後ですね。「違う色なら(サイズなら)こちらにございます。」「他店からお取り寄せしましょうか」「あと1週間で入荷されます」などなどが、考えられますね。 しかし、すぐに欲しいというニーズの場合でしたら、どんな代案が考えられるでしょうか?
すぐにご用意できずに、お客様がお困りの場合は、「もし、よろしければ、まっすぐ行ったところにも、かばんを売っているお店があります。そちらでしたら もしかするとまだ在庫があるかもしれません。」と他店を紹介する、ということも とても親切な代案です。 他の店を紹介するなんてありえない・・・、と思うかもしれません。 通常はあまりしない紹介ですから、お客様も驚かれるかもしれませんが、店の売上より自分の要望を優先して対応してくれたことに恩義を感じ、また、とても誠実なお店だなと言う印象を持って、そのお店のことを特別な存在に感じることでしょう。今回はこの店で買えなかったけれど、次回からはぜひこのお店で買おう、または、他の人にもその話をしたいという気持ちになることと思います。
このように、短期的でなく、今後の長期的なお付き合いを考えることが、皆さんの会社のファンを作ることにつながります!
クライアント企業から、「サンプルを明日までに送ってほしい」と言われた場合を例に 考えてみましょう。 届けられるように努力できるならよいのですが、出来ない場合はどんな代案が考えられるでしょうか。
「本日の最終便がもう出てしまっているので、明日一番にお送りして、お届けが明後日の朝になるのですが、それでも間に合うでしょうか」
「明日の到着にはあいにく間に合わないのですが、差し当たって、明日は、実際のサンプルのイメージが分かりやすいように、Zoomを通してご覧いただくというのではいかがでしょうか?」
「明日の到着にはどうしても間に合わないのですが、明日の会議でご検討いただけますように、サンプルを使っているところを私どもで録画しまして、まずは、それを動画で共有させて頂くというのではいかがでしょうか?」
など、なぜ相手が明日に必要だと言っているのかの真意を理解して、それに沿ったアイデアや解決策を伝える、というのが大切ですね。
今回は 【顧客満足度を上げる】NOと言わない接客に必要な3つのステップ についてみてきました。これまで、「NOと言わないサービスなんて、高級ホテルかなんかだけの話」だと思っていた方もいらっしゃるかもしれませんが、少しの言い方の工夫と アイデアを出す だけで、大きく印象が代わりますので、ぜひ取り入れてみて下さいね。
NOと言わないサービスで自社をブランディングするためのコミュニケーション研修や、さまざまなロールプレイで楽しくトレーニングする接客マナー研修も行っていますので、よろしければ お気軽にお問合せください。(マナー支援・コミュニケーション/マナー研修のお問合せはこちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2021年12月22日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
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