「髪型を注意したいが、言いづらい」
「以前、身だしなみの指摘をしたが、効果が全然ない」
「指摘したら、人間関係が悪化した・・・」
こういったお声に おこたえします。
【本記事の内容】
身だしなみを上手に注意する方法:スタッフへの指摘3つのNG
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20サミットほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
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身だしなみを注意するというのは、その他の点について指摘するよりも、意外と難しいものですよね。 職場で「他の人の身だしなみが気になる」、「指導する立場にいるけれど、何と注意したらよいものか・・・」と、悩んでいる方は 結構多いようです。 実際のところ、私どもの研修の個別質問の際や、CS(顧客満足度)・ES(従業員満足度)アップのための仕組みづくり という コンサルティング・支援 の際にも、身だしなみについての指摘方法を、大変よくたずねられます。
時代の流れで、身だしなみの規準は、制限が緩和される方向にすすんでいるのが世界的な傾向ですが、個人の自由や権利を著しく侵さない範囲で、職場にふさわしい身だしなみの規準は不可欠ですよね。今回は、つい やってしまいがちな NGの注意方法 を通して、人間関係を悪くせず、また相手の改善につながる注意方法をご紹介したいと思いますので、ぜひご参考になさってください。
“注意する・指摘する” となると、一番最初に頭に思い浮かべるのは、内容についてかもしれません。しかし、実は、指摘内容よりも、さらにその前段階として、「誰がどこで」注意をするのか という設定、つまりお膳立てができているかどうかが大事で、成功・失敗に影響します。 どれだけ正論だったとしても、誰しも自分が注意を受ける・指摘されるのは、気持ちの良いこととはいえないものです。「誰から注意されたのか」「どのような環境で注意されたのか」は、注意される側にとって、とても大切なポイントで、注意内容を素直に聞く気になるか、反発したくなるか、その後の結果を左右します。
まず、注意する人自身が、身だしなみが良いことをしっかり確認することが大切です。もし万が一、注意する側の身だしなみも不適切・・・という場合は、その状態で他の人に身だしなみの注意をしても、効力はないでしょう。「あなたに言われたくない」とか、「人のことを言える立場ではないだろう」と思われてしまい、聞き流されてしまうかもしれません。まずは一定期間、毎日欠かさず自分自身の身だしなみを細かくチェックしたうえで、他の人にも、意見を聞いて、ご自身の身だしなみをパーフェクト!にしましょう。以前、ご紹介した身だしなみチェックリストを活用なさって、客観的にチェックするようにすると良いかと思います。【ご参考記事はこちら】→ すぐに使える 身だしなみチェックリスト40項目〔マナーの基本〕
「よし!自分自身は身だしなみパーフェクト」と認識できた段階で、初めて他の人に注意する資格をもった、と考えましょう。 うわっ、そんな大変な過程があるなら、注意するのはあきらめよう・・・とは思わないでくださいね(笑) ご自身の身だしなみがグッとよくなる、相手への説得力が増す というプラス面だけでなく、身だしなみをパーフェクトにする努力・維持する努力は、多くの人にとって、結構なエネルギーがいるんだな、ということも体験でき、注意する相手に 配慮ある言葉を選ぼう という気持ち にもつながるかと思います。
髪型・メイクなどは その人自身の一部、また、服装は その人のセンスとか 考え方の表現 といってもよいでしょう。ですから、こういう部分を指摘されると、自分自身を否定されたという気持ちになってしまう人も 少なからずいるということをまず理解する必要があります。自分が注意されている場面を、周囲の複数の人に見られるというのは、さらなる苦痛と言えるでしょう。 身だしなみについて注意するときは、くれぐれも注意する場所に気を付けて、必ず相手と二人だけ、周囲の人に聞かれない場所を選びましょう。
誰しも人間関係は良好なままで、相手のやる気をそがないように、注意ができればいいな と思うものですよね。その時にお勧めなやり方が、サンドイッチスタイルです。 サンドイッチスタイルは、注意する内容(具の部分)を、肯定する内容(パンの部分)ではさむ、ということです。 いきなり本題、つまり、顔を見るなり 注意内容を言うのではなく、一工夫が大切です。
例えば、香水や整髪料ほか、香りが強いことをスタッフに注意する場面では、
◆ リーダー 「お疲れさま、今日は結構忙しかったね。どうだった?」
◆ スタッフ 「そうですね、まだ慣れてないのでバタバタしていました。」
◆ リーダー
〔肯定する〕 「慣れてないなか、よく頑張っていたね、まだ3週間とは思えないくらいだったよ。自信をもってね!」
〔理由付きで注意する〕 「そうそう、お客様のなかには、体調が悪い方もいらっしゃるかもしれないから、香りがするものは、職場では控えたほうがいいよ。」
〔肯定する〕 「いろいろ覚える事が多くて大変だろうけど、〇さんは覚えるのも早いし、積極的に質問してくれるところがいいよね。なにか不安なことがあったらいつでも言ってね。」
こんなふうなやり取り例です。 なぜ、サンドイッチスタイルにする必要があるかというと、一番大きい心理的なプラス面としては、ほめたり肯定することで、注意はされたけれど、自分は少なくとも相手から認めてもらえている と感じることができる点です。
単純に、注意だけを伝えると、「自分は嫌われているから言われたのだろうか」とか、「相手は自分の味方だと感じられない」などと、どんどんマイナス思考を招く恐れがありますので、「あなたのことを肯定的にみている ~ ただ、伝えておかないといけないことが1点あるだけだ」ということを示すようにするといいですね。
身だしなみについて注意する時に、やわらかく伝えようとして、「こんなふうに思うんだよね」「ちょっと短いかも」などという言い方をしてしまうと、逆効果です。個人の主観で、気に入らないと言っているのではなく、職場の規準・会社の規則として、身だしなみを注意することが重要です。言葉選びには十分注意しましょう。
具体的には、「会社の決まりでは、こうなっているから」とか、「このお店の中では、こういう服装が求められているから」といった言葉を使います。このように主観を一切含まない言い方をすることで、相手もあなたの言葉を「確かに、プライベートでは良くても、会社としてはだめなんだな」と冷静に受け止めてくれることにつながるでしょう。このように、注意や指摘を、客観的にするためにも、具体的な身だしなみについての会社の規則をきちんと作成したり、適宜 アップデートしたりしておきましょう。
今回は 身だしなみを注意する方法:スタッフへの指摘3つのNG についてみてきました。身だしなみチェックリストは、業界や職種によって、自由度の高さや、求められる身だしなみの規定に、かなり幅がありますので、身だしなみチェックポイントの項目をどれだけの数、どのように表現するかについては、よく検討する必要があります。
皆様のそれぞれの目的や、ビジネス・接客の現場に応じた、相手に気持ちが伝わる 身だしなみ の項目策定や、現場での定着化のお手伝いをしておりますので、よろしければ お気軽にお問合せください。(マナー支援・コミュニケーション/マナー研修のお問合せは、こちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2021年6月7日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
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