「和室でどのように振る舞うのがよいのか不安」
「家はすべて洋式なので、畳の部屋でのマナーがわからない・・・」
こういったお悩みに おこたえします。
【本記事の内容】
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20サミットほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
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今回は、先日まで、ある日本料理のお店の接客監修をさせて頂いていたので、それにちなんで、和室のマナーをみていきたいと思います。
さて、皆さんの家に、和室や畳のスペースはあるでしょうか? 住環境研究所のデータによると、家に、和室や畳スペースがない、という人の割合が増えています。
畳を敷いている和室や畳スペースを設けなかった家の割合は、2010年度では18.8%だったのに対して2016年度では25.3%に増加 ~ つまり、4人に1人の割合で畳と無縁 の間取りを採用しているとのことです。そんな状況ですから、畳の部屋でのマナーをよく知らないまま大人になり、不安です・・とおっしゃる方も多くいらっしゃいます。
これから、これだけは押さえておこう!というポイントを 3つご紹介します。
まず、これだけはおさえておきたい という1つ目のポイントは、和室では、畳の縁や 敷居を ふまずに歩く ことです。
昔の貴族ら身分の高い人が使った畳の縁には、金糸や銀糸で織られた豪華なもので、家紋などが入っているものもありました。身分によって畳の縁の違いがあり、縁を軽々しく踏むことは 権威の象徴を踏みにじる行為とも考えられました。
縁には様々な模様や染物があり、植物などの草木染で作られたものもあります。染物の縁を意識せずに踏んで歩くと、すぐに色が薄くなったり、縁が傷んでしまうので 踏まないようにとの心配りでもあります。
通常の縁も、豪華な糸を使った織物の縁も、分厚くなることで、少し段差ができ、つまづいてしまうので、子供のころから、縁をふまないように教えることは、大切なしつけでもありました。
昔、室内にいる敵を狙い、刀を突きあげるときには、畳の間の縁を狙うからという理由や、お茶席で懐紙がない時に、縁に菓子を置いたからという理由もあります。
敷居とは、障子や襖をはめ込むための溝のついた横木で、上部にあるのが”鴨居”、下部にあるのが”敷居”です。玄関の引き戸、襖(ふすま)、障子など、一般家庭にも様々な敷居がありますが、これらを踏んではいけない理由をご紹介しますね。
「敷居をまたぐ」「敷居が高い」というように、 敷居はその家の象徴なので、それを踏むことは、 家や家人を踏みつけることと同じと考えられます。
敷居を踏むと磨り減ったり、家の建てつけが歪むこともあります。その家を大切にする気持ちをあらわすために、敷居を踏まないようにします。
相手にすすめられたら、「失礼します」と言って座ります。座布団を足の裏でふみながら、座布団に腰をおろすのはNGです。
1、座布団の下座側 (入り口に近い方) に正座する。
2、足のつま先をたててかかとに腰をおろす。
3、座布団の端に膝を下ろす。
4、膝の両側に軽く握った手をついて、身体を支えながら
膝をついたまま、座布団に入り、座布団中央に進む。
5、体を正面に向けて正座をする。
また、洋室で正式なご挨拶は、立ち上がってするのと同様に、和室でも座布団に座ったままご挨拶するのではなく、座布団から畳の上に、にじり降りてから、ご挨拶します。 和食のマナーについて、こちらの記事 → うっかりやっているかも? 和食の間違いマナー 7つでご紹介していますので、よろしければご参考になさってください。
座布団の裏表をひっくり返したり、置かれた座布団の位置を勝手に変えたりはしません。ホストが、見られたくないホツレ等があるかもしれないためです。
今度は、和室にお客様をお招きする時のために、座布団について、クイズです。
座布団には前後・裏表があるのをご存じでしょうか?
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座布団には、4つの辺のうち、3辺に縫い目がありますが、唯一縫い目が無い部分を、正面側(座る人の膝側)として置きます。また、裏表については、中央で綴じているしめ糸の「ふさ」がある方が表側です。(両面使えるように、両側に「ふさ」がある座布団もあります。) 他に、縫い目が上から覆いかぶさっている方が表側という 判別の仕方もあります。
和室では畳に座布団、というのが一般的ではありますが、膝や腰の調子が悪いお客様、高齢のお客様、和室に慣れていない海外ゲストなどには、少々ハードルが高く感じられ、座椅子がある部屋や、掘りごたつのあるお店などを、選ばれることが、実際のところ多いです。
ご自宅や店舗で、急に掘りごたつを準備できませんので(笑)掘りごたつでなくても、高さのある 座椅子(ローチェア)や 低床タイプの スツール をご用意するだけで、お客様がスムーズに座ったり、立ち上がったりできて、長時間でも、疲れ・痛みが生じにくく、とても喜ばれます。
今回は 和室のマナー 〔和室の歩き方&座布団への座り方や 扱いのタブー〕 についてみてきました。実際に、和室の歩き方や座布団への座り方は、体が覚えるまで、何度も動いてみるのが一番です。
日本のマナー、和室のマナー に少し不安がある方、接客監修(ふさわしい接客が提供できるよう、人財・環境・しくみ面で提案/支援すること)に ご興味がおありの方、皆さま独自のご要望にあわせて、カスタムメイドで楽しいレッスンをご提供したり、スタッフ様のための 接客ガイドライン資料のご提供もしております。よろしければ お気軽にお問合せください。(テーブルマナー研修や社会人スキルアップレッスンのお問合せはこちら → https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2021年8月10日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
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