「スタッフの接客スキルを高める指導をしているが、効果が感じられない」
「自分の接客に自信がないが、今さら人に聞きづらい」
「毎日同じことの繰り返しで、接客を楽しめない・・・」
こういったお声に おこたえします。
【本記事の内容】
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20ほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
(㈱フォーシーズインターナショナルの情報についてはこちら)
接客力を上げる という今回のテーマですが、接客力を上げると、“ただただ 良いこと” がいっぱいです。
お客様は、より満足度の高い接客対応を受けられ、経営者の方は、店舗の売上が上がる、スタッフの方は、接客の仕事を楽しめるようになる、
ざっと書くとこんなプラス面です。
この中で、「スタッフが接客を楽しめるようになる」 について、少々補足しますと、
接客力が低いうちは、接客のどこが楽しいのかわからない、という感想がよく聞かれ、
でも、接客力が高まると、お客様や同僚から感謝されることも増えますし、それぞれのお客様への接客に対して、大きな付加価値がつけられるクリエイティブな仕事であるように感じられてきたりもします。
もし、接客に携わっていて、最近、モチベーションが下がっている、、、という方が、この記事をお読みでしたら、なにかヒントになることがあればいいな、と思います。
「良い接客とは何か?」 これは、航空会社のフライトアテンダントの面接でも 必ずと言ってよいほど聞かれる質問です。
そんな時の答え方、表現の仕方は、たくさんありますが、やはり、お客様を第一に考える という点が、良い接客には欠かせない視点 といえるでしょう。
良い接客を提供する、おもてなしや接客のレベルを向上させる にはどうしたらよいのか、と、よく店舗やスタッフの方からお問合せを受けます。
経営者の方々も、現場の皆さんも、本当にがんばっているのに、なかなか成果が出ない、という場合、“頑張る方向性を間違っている” ケースが よく見受けられます。
・スタッフの声をもっと大きくしよう と、大声大会みたいになる。
・親しみやすさを表現しようと、お客様にグイグイと近づいて行く。
・優雅な印象をもってもらうために、ゆっくりのスピードで対応する。
こういったことは、残念ながら・・・少々、方向性のズレた 努力です。
何がズレているかと言うと、自分達側の好みや思い込み から判断していて、目の前の相手のタイプやニーズが 考慮されていないところです。
相手あっての接客ですので、相手の情報や 現在の状況を観察する、そしてなんらかの気づきを得る=インプットし、それに適した対応をアウトプットする。
これが何より重要で、インプットを省略して、アウトプット部分だけを磨こうとしても、なかなか成果にはつながりません。
つまり、
・接客用語を大きな声で唱和する
・お辞儀がきれいにできるように練習する
・敬語の使い方を学ぶ
こういった アウトプットの練習だけでは、残念ながら 足りないということです。
正しいインプットがあって初めて 皆さんの望む成果に近づきますので、
これから、接客に 「気づく力」 が必要な理由 3つをみていきましょう。
接客において、「気づく力 」がないと 相手のニーズが分からず、真にご満足いただけないという悲しい結果 になってしまいます。
では、気づく力、というのはどういうことか 詳しく考えましょう。
私たちは、同じ状況にあって、同じものをみても、受け取る情報の量や質は、人によって大きく違います。
例えば、自動車の運転を例にとると~
最初は、車をまっすぐ道路幅内にはしらせるのに必死で、自分の車の基本走行と、間近の信号など、限られた情報に、意識が集中していることが多いでしょう。
つまり、後ろの車の様子、細かな標識、自転車やバイクの走行、歩行者の様子まで、すべてにきちんと気が回っていない、ということが生じます。
これは何も、運転免許取り立ての人だけの話ではなく、慣れたドライバーでも、焦った気持ちの時の運転では、見えているものや、受け取る情報が、とても少なくなります。
今度はスポーツを例にあげましょう。
例えば、サッカーを始めて間もない人は、目がボールばかりを追いかけている状況です。
しかし、プロのサッカー選手は、同じ3秒間でも、ボールはもちろん、
・ゴール位置
・相手選手の位置
・味方選手の位置
・味方選手が出している合図
・相手選手の動きの様子
など多くの情報を瞬時にインプットしていると、お聞きしたことがあります。
それでは、本題です。 場面を、接客の場にうつして考えてみましょう。
レストランの飲食サービスの例です。
まだ慣れていない新しいスタッフの方が、ある一組のお客様に、お水を出すという場面では、こぼさずに持っていき、テーブルのふさわしい位置に置く、ここに意識が集中しています。
慣れるにしたがって、お水を運びながらも 他のお客様の様子なども把握できるようになり、
・こちらのグループは、取り皿が必要だろう
・こちらのグループは、飲物がなくなりそうだ
・こちらのグループは、そろそろお帰りかな
・あのお客様は、寒そうだ
・新規のお客様がご来店になった
・このお客様には、ご提供を長時間お待たせしている
・本を読んでいるお客様の横のグループがにぎやかなので、
気になっているんじゃないかな
とか、いろんなことが見えてきます。
レストランで、ぱっとホールを見渡し、どれくらいの情報が目に入ってくるか、その情報量が多いほど、それぞれのお客様の様子やニーズを把握しやすくなり、今 何を優先すべきかの順位も正しく判断できます。
よく、マニュアル通りのサービス、と悪い意味で言われるのは、この「観察して情報を得る」、「気づくというインプット」が不十分なため、結果的に 誰に対しても同じ対応になり、個別のご要望にそった対応にならないためです。
逆に言うと、きちんとお客様の状況を観察し 気づく、情報をインプットすることで、お客様のご満足に より一層つなげることができます。
〔注意点〕
お客様をもっとよく観察して 気づくように、とスタッフの方にお伝えすると、双眼鏡をかけたバードウォッチング並みの観察とか、きびしい試験監督の監視のように(笑)じろじろ見たり、圧迫感あふれる観察 をする方が、たまに でてきます。
すぐにやってみようと取り組む姿勢は、素晴らしいです!
ただ、これでは逆効果です。お客様は、落ち着きません・・・。
あくまで、自然な視線で柔和な表情で、数秒、状況を見るだけで、いろいろなポイントに気づきましょう。
(気づきの力を高めるトレーニングについては、また別の機会に書きたいと思います。)
良い接客、おもてなしの話をする時に、「効率」なんて言葉を使うの?!と 違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、効率というのは、結果的に、お客様側にプラスが生じる、という意味で 接客に大事なポイントです。
少ないスタッフ数で顧客対応している店舗や企業様も多くありますし、普段のスタッフ数は多くても、時間帯によっては、少ないスタッフでの対応が必要になるケースもあります。
そんな時こそ、スムーズな対応ができるように 気づき を生かした 時間短縮が大切です。
レストランで、お客様から 取り皿を頼まれたら、その人のところに取り皿を置いて戻ってくるというだけではなく、その道すがら、他のグループの取り皿についても対応したり、済んだお皿を下げてくる など、一度で済ませることで、スタッフに、その後の時間や労力の余裕が生まれます。
特に広いお店の場合は、接客スタッフの動線、歩く距離や移動の時間は、接客効率として、検討した方が良いポイントです。
また、小さな規模の店舗でも、接客効率は大事です。
例えば、あるメニューを提供するのに必要なアイテムが置かれている棚が バラバラのことが意外とあります。
具体的には、紅茶セットをお客様に出す時に
「セット用トレーは上の棚から、
ポットはここから、
カップはあっちから、
ティースプーンはここから、
シュガーポットはあっちから
えーっと全部そろったかな?
あ、ペーパーナプキンがなかった・・・。」
大げさに書きましたが、これを読んでいても、いまいち全部そろったのか分かりにくいですよね(笑)
私たちは、店舗の新規開店の準備で、接客トレーニングや接客監修をさせて頂くことも多いのですが、この例ほどではないにしろ、置き位置やレイアウトが原因で、準備時間と労力の無駄というのがよく見られます。
このような裏方の準備工程で、スタッフの方の 神経を消耗させず、簡単に、機械的に 右から左にひとつずつ取っていけるようにするなり、置き位置を工夫することで、効率をよくすることは、結果的に、お待たせしないというお客様にとってのプラスになります。
準備するスタッフの方の神経を休めて、その分、お客様を観察する方に、意識や神経を存分に使ってもらえるようにしましょう。
最後は、AIについてです。
AIとは「Artificial Intelligence」、つまり「人工知能」。
オフィスや、店舗、医療施設、介護施設など、さまざまなところで、機械化が進んでいます。
AIの良い点は、
・危険や重労働をともなう分野の労働力不足の問題を解消
・業務の質が一定で行えること
・基本的に長時間、夜でも働き続けられること
などです。
以前、経済産業省や、専門家が、今後は人間ではなくAIが取って代わる仕事が増える、と発表しました。
「思考や、共感など感情の要素」が少ない業務であればあるほど、AIやロボットの得意分野なので、置き換わる可能性が高まるそうです。
逆に言えば、AIやロボットで代用がききそうに思える職種であったとしても、「思考や共感などの感情」 つまり、
・創意工夫
・新しいアイデアをだす
・きめ細やかな対応
・気づきをベースとしたカスタムメイドの対応
など AIが苦手な要素を その職種に加えることができる人なら、取り換えのきかない仕事、と言えるでしょう。
そのような面からも、今後、「気づく力」、「考える力」、「感情を汲む力」は、ぜひ高めていきたいところですね。
今回は、接客力を上げるために、「気づく力」が必要な3つの理由 をみてきました。
自分の接客、自店の接客で、「気づく力」を大いに意識することで、
接客業につくスタッフの方、お客様、経営者の方、この三方 ともに、幸せな状態につながりやすくなります。
さらに具体的に、自店でどのような社内研修をしたらよいか、どのように接客効率を上げればよいか、などを お伝えする 接客監修 も致しておりますので、ご興味のある方は、https://4cs-i.com/contact/ まで ぜひご連絡ください。
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2021年11月17日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
公式HP https://4cs-i.com/
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