「接客や販売で、ふさわしい敬語がすぐにでてこない」
「言葉遣いを部下に教える立場だが、教えるほど自信がない・・・」
こういったお悩みに おこたえします。
本記事の内容
〈1〉敬語は必要だと思うか?
〈2〉敬語の分類
〈3〉敬語クイズ
〈4〉間違いやすい敬語
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で 働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化した コンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20サミットほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
(㈱フォーシーズインターナショナルの情報についてはこちら)
最近は、テレワークの増加などで、対面でのコミュニケーションが減り、電話やメール、チャットなど、相手の顔を見ずにやりとりすることが増えていますよね。 そうすると、対面では、表情やしぐさが “カバー” してくれるおかげで、あまり気にならなかった言葉遣いが、より意識されます。 というわけで、今日は「言葉遣い」についてみていきましょう。
今回は、「敬語編」ですが~ そもそも、皆さんは「敬語」が好きですか? 敬語が好きかどうか、これまで聞かれたり考えたりしたことが あまり無いかと思うので、答えづらい質問ですね・・・(笑)
日本語を話す多くの人が、小さい頃は敬語がおぼつかないながらも、年齢を重ねるごとに、敬語を徐々にマスターしてくわけですが、初めてアルバイトをした時とか、就職面接の時などに、自分の言いたいことを自由に “敬語で” 話すことの難しさを 体験なさっていることでしょう。 私自身、学生時代、「これを丁寧に伝えるにはどう言えばよいのか」と迷ったり、舌をかみそうになった経験があります(笑)
敬語は覚えるのが大変だし、正しく使うのも難しいから、今後、時代にあわせて無くせばよい、と考えている人もいらっしゃるかもしれません。あえて、友達感覚を与えるために、お客様に “タメ口” で話す、10代向けアパレル店もあります。
ここで、ある調査をご紹介したいと思います。文化庁が、毎年「国語に関する世論調査」というのを実施しているのですが、そのなかで、「今後とも敬語は必要だと思うか?」という問いがあるのです。どれくらいの人が敬語が必要だと考えていると思いますか?
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なんと、98パーセントの人が、「必要だと思う」と答えています。
つまり、「敬語は要らない」と自分は思っていても、周囲には「敬語が必要だ」と思っていることが多い、ことが分かります。(ちなみに、この世論調査は、毎年、国語に関して質問のテーマが変わり、外来語について尋ねる年があったり、読書について尋ねたりと様々ですので、現在一番新しい調査結果が、平成25年度のものです。)
それでは、この記事をお読みになっている社会人の皆さんにお聞きします。
敬語は何種類あるでしょうか?
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敬語は、5種類あります。
敬語は、現在、
・尊敬語 - 相手の動作などを高めることでその人に敬意を表す言葉
・謙譲語Ⅰ- 自分や身内の動作などを低めることで、行為を受ける相手に
敬意を表す言葉 例)〇様を存じ上げております。
・謙譲語Ⅱ(丁重語)- 謙譲語Ⅰとの違いは、行為を受ける相手がいなくてもよい点。
例)私は横浜におります。
・丁寧語 - 「です」や「ます」など、話し相手に対する敬意を示す言葉
・美化語 - 「お」酒 や「ご」用件など、美化する言葉
の5つに分類されます。
皆さんのなかには、学校で3種類と教わった方もいるかもしれませんが、2007年、文化審議会の「敬語の指針」によって、5種類に分類されることになりました。では、実際の力試し(基本編)をしてみましょう。
①お客様が商品を 見る。
②田中様が先ほど 来た。
③山本様がそのように 言った。
④私は、明日は東京に いない。
⑤お先に、食事を 食べた。
⑥そのお話は、石田様から 聞いた。
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スムーズに答えられたでしょうか?
①お客様が商品を ご覧になる。
②田中様が先ほど いらっしゃった。
③山本様がそのように おっしゃった。
④私は、明日は東京に おりません。
⑤お先に、食事を 頂きました。
⑥そのお話は、石田様から 伺いました。
ちなみに、すべての言葉に尊敬をあらわす助詞「れる・られる」をつけて、言われる、会われる、食べられる、などということもできますが、 「れる・られる」には、尊敬の意味以外にも、受け身とか、可能の意味があり、どの意味で使われているか、判別しにくいこともありますので、注意しましょう。
また、日本の地域によっては、「れる・られる」以外にも様々な言い方があり、例えば、京都では、「はる」を付けて、見はる、食べはる、言わはる など。筆記試験で、すべて「~はる」と書かれた答案を見て、丸を付ける手が止まったことがあります(笑)
では、引き続き、わりとよく耳にする、誤った使い方の敬語について みていきましょう。
一つの語について、同じ種類の敬語を二重に使ったものを「二重敬語」といいます。
一つの語の中で、使っていい(同じ意味の)敬語は一つだけ、と決まっていますので、
・ご覧になられる
「ご覧になる」 + 「れる・られる」
・おっしゃられる
「おっしゃる」 + 「れる・られる」
は誤りです。
社外の人に対して、社内の人のことは、姓または職名だけで呼びます。
× 山本部長は、ただいま席を外しております。
〇 山本は、ただいま席を外しております。
〇 部長は、ただいま席を外しております。
いかがでしたでしょうか? 正しい敬語は、より幅広い層の人たちと良い関係を築く第一歩です。 「タメ口」か「がちがちの敬語」かという ゼロか100かの二択ではなく、多くの場合、相手との親しさ・場面などに応じて、どんな敬語をどんな頻度で使うかのさじ加減をしながら、会話を進めるのが、 デキる社会人のコミュニケーションといえます。
敬語がきちんと使えると、また、敬語のほかにも、配慮が感じられる言葉選びが得意になると、多くの人からの信用が得られます。
*「上手に依頼する “クッション言葉10選” 」の記事はこちら→ https://4cs-i.com/blog/newscolumns/business-manner-cushion/
皆さんが周囲の人から信頼され、働きやすい・過ごしやすい環境につながるよう、心から願っています! 今回書いた 表現以外にも、うっかり使いがちな 誤った表現ほか、言葉遣いのレッスンにご興味がある方は、ぜひ https://4cs-i.com/contact/ までお問合せくださいね。
それではまた次回、お会いしましょう。 最後までお読み頂いてありがとうございました!
株式会社フォーシーズインターナショナル
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