「すぐに取り入れられる、接客のコツを知りたい」
「挨拶くらい、きちんとおさえておきたいけど、本当はどうするのがベスト?」
「接客七大用語って何だろう」
こういったお声に おこたえします。
【本記事の内容】
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20ほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
(㈱フォーシーズインターナショナルの情報についてはこちら)
お客様がお越しになって最初のコミュニケーションである「挨拶」は、第一印象にとても影響します。また、社内で、毎日顔を合わせる同僚や上司との挨拶も、人間関係づくりに大切な役割を担っています。今回は、「挨拶」にフォーカスして、「挨拶の基本や応用」、また、自店や自社、自分自身のブランディングにつながるような 「挨拶の仕方“プラスアルファ” 」をご紹介します。
挨拶は、サービス業の方だけに限らず、どんな職種の社会人にも、学校や家庭内でも、とても大切なものです。人間関係の第一歩は「あいさつ」から、ともよく言われます。
接遇において、とても大事な5つの原則を「接遇マナー5原則」と呼び、以下の通りです。
そのうちの一つである「挨拶」は、その漢字の元々の意味から、「自分の心を積極的に開いて、相手の人の心と距離が近づく状態にする こと」と言えます。(挨拶の漢字の意味や由来については、接遇マナー5原則の記事 をご覧ください。)
では、本来の「相手との心の距離が近づく」挨拶をするためにはどうしたらよいでしょうか。
「あ」かるく、「い」つも、「さ」きに、「つ」づけて
頭文字をとって、あ・い・さ・つ と、とても語呂がよいので、ぜひ覚えて、他のスタッフの方とも 共有して実践なさるとよいかと思います。というのも、標語として壁に貼っている学校などもありますが、これがきちんとできている 社会人の方や、接客スタッフさんが、意外と少ないためです。
「あ」「い」「さ」「つ」4つのポイントを詳しくみていきましょう。
まず、明るい表情や声のトーンであいさつすると、元気さや温かさが相手に伝わります。接客の場ですと、初対面のお客様に、安心感や、歓迎している印象、また、接客スタッフの仕事に対する意欲を感じとってもらえたり、とてもプラスに働きます。
私たちは、お店や会社に直接お伺いする“出張研修”というのをしているのですが、そこでよくこんなお話をさせて頂きます。それは、お店や会社の ”雰囲気” を作るのは、室内インテリアだけではなく、そこにいるスタッフの方が、その場の空気を、冷たくとっつきにくいものにするか、あたたかく居心地がよいものにするかを決めている、ということです。室内インテリアなどの「モノ」と「人」があいまって、雰囲気を作っている、ということを、頭の片隅において、明るくあたたかく挨拶や対応をしましょう。
誰にでも、どこでも、積極的に挨拶をしましょう。
つい、自分の知っている人だけ、自分と関係のある人だけに 挨拶をしがちですが、社内であれば自分は気づいていないけれど間接的にお世話になっていたり、社外であっても、実はつながりがあったということが後でわかって焦るとか、反対に、思いがけず挨拶がご縁でつながりが出来ることもあります。
就職活動の面接などで、面接官にはきちんと挨拶するけれど、建物内で出会う他の社員さんには関係なさそうだから挨拶しない、という人は、要注意です。実は人事部長が廊下をあえてブラブラ歩いていて、受験者の素の姿を見ようとしている場合も多々あります。
今度は、場所についてです。「いらっしゃいませ」とか「こんにちは」というのは、入口だけでよい、と思い込んでいる人は いないでしょうか?
例えば、2階建ての店舗だったり、広い会場を使ったイベントスペースだったり、そんな場所で接客しているスタッフの中には、エントランスでは挨拶するのに、2階や、イベント会場の奥の方で、お客様と出会っても、挨拶しない(もう、エントランスで、受付担当スタッフが挨拶したから、というのが挨拶しない理由のようです・・・)
これでは、トータルでは、お客様はあまり満足なさいません。なぜなら、入口付近で挨拶するのは、”当たり前”だからです。 接客に定評のあるお店や会社さんは、建物内のどこで どんな部署のスタッフさんに会っても、自分の担当のお客様でなくても、きちんと挨拶をなさいます。
ということで、いつでも(どこでも、誰にでも)挨拶をしましょう。挨拶の回数をセーブせず、挨拶の大盤振る舞い!をチームで取り組みましょう。
相手が挨拶してから挨拶をする、とか、相手が気づいていなさそうだから まぁいいか、ではなく、挨拶は相手より先に行うことが大切です。相手が気づいていないなら、「〇〇さん、おはようございます!」と呼びかけましょう。
挨拶以外のいろいろな場面では、上位の方(役職や年齢・立場等が上の人)に先に行動して頂くことが多いですが(例えば、先に入室する、先に椅子におかけになるなど)、名乗りや挨拶に関しては、自分が先にすることで、相手に対して謙虚な気持ちが示せます。
また、相手と対等な関係であったとしても、気持ちの良い挨拶 というプレゼントを受け取ると、つまり好意を先に示すと、相手の人は、その人に好意を返そうとする意識が働きます。これは「好意の返報性」と言われますが、先にあいさつをすることが、その後、挨拶の返事だけでなく、相手からの好意を受け取ることにつながるのです。
なんだか、難しい話になってきたぞ・・・、と思った方、シンプルにまとめますと、挨拶は先手必勝だ、と覚えておきましょう(笑)
挨拶のあとに、次の言葉を「続ける」というのが、4つ目のポイントです。どんな言葉を続けるかですが、相手との会話が続いたり、相手との関係を一歩すすめるような言葉です。
例えば、「おはようございます。昨日はありがとうございました。」「いらっしゃいませ。今日は(雨が)よく降りますね~」のように、その人とか、その状況にぴったりの プラスアルファの言葉を、あいさつの後に続けることで、相手との距離が少し近づきますよ。ご自身の職場でどんなプラスアルファの言葉が言えるか、いきなりアドリブで出てこなさそうな人は、事前にイメージしておくといいかと思います。
いらっしゃいませ という言葉は、接客で大変よく使う言葉です。接客でよく使う用語をまとめて、接客七大用語というのがありますが、一般的に以下の7つのフレーズを指します。
企業や職種によっては、この接客七大用語から「申し訳ございません」と「恐れ入ります」の2つを抜いて接客五大用語としたり、「失礼いたします」を加えて接客八大用語と呼んだりもします。
こう聞くと、接客をする際は、この7つの用語を そっくりそのまま言わないといけない という気持ちになりますが、これは、あくまで「よく使われる」用語です。まずは基本の用語として、これらが自然に言えるようになることが最初のステップとして、それがマスターできたら次のステップを考えてみましょう。全国でチェーン展開をされているお店などで、この接客用語が指定されている場合は、もちろんそのままお使いになるのでよいのですが、もし、新規に店舗をオープンする、より接客販売に力を入れていきたい、オリジナリティをだしたい、などという場合は、それぞれの用語を、一度検討してアレンジすることをおすすめします。
例えば、「いらっしゃいませ」を例にとると、「いらっしゃいませ」はどうしても接客者側からお客様への一方通行の呼びかけになりがちだから、その代わりに「おはようございます」や「こんにちは」で挨拶することにしよう、とか、地域色をだすために、方言で「いらっしゃいませ」を言おう、などです。
「いらっしゃいまっせ~」と10秒に1回、まるで録音された音源をながしているかのような 挨拶言葉を言っている店舗さんを、以前、接客の覆面調査の時に見かけました。放送ではなく、スタッフさんの声だったのですが、驚くくらい、毎回同じ声、同じイントネーション。それも、発声することに必死で、誰に対して言っているということもなく、商品を触りながら、商品に向かって言っているわけです。 このような 号令というか、機械的な掛け声は、スタッフさんの努力のわりに、特に好印象にはつながりません。
ここでは応用編ということで、書いていますので、基本的な挨拶が出来る方の次のステップとして、「相手にあわせて、声の出し方、イントネーション、声量、スピードを変える」ということをご紹介します。
皆さんが扱っている商品によっても、業種によっても、お客様がどんな気持ちでそこにお越しになるのかという目的が変わります。 例えば、挨拶の声は大きい方が良い、と一般には言われることが多いですが、医療施設など体調が悪い方がいるケースや、アカデミックな場所など静かな環境を保つ必要があるケースほか、優しい声量の方が良いケースもたくさんあります。 反対に、遊園地や楽しい体験施設では、利用者の方のテンションが通常より高いことも多いので、スタッフの方が普通に話していると「なんか暗い・・・」と思われるかもしれません。
そのように、ご自身の接客がどのような場所で、誰に対するものかを考えて、それにあわせて、言葉の言い方をアレンジすることをお勧めします。
少し、専門的になりますが、人は、相手との違いを感じると不安になったり、合わないな、と感じたりします。ですから、接客のプロは、相手にペースを合わせようとします。これをペーシングと言います。いつも「マイペース」ではなく、「相手のペース」にカメレオンのように合わせられるようになる ことを目指すと、いろいろなお客様が、皆さんのファンになり、自身ももっと接客を楽しめるようになるかと思います。
最後にご紹介するのは~ 「挨拶をした時の相手の反応をみると いろいろ分かる」ということです。接客に慣れないうちは、挨拶を「する」ことにだけ意識が向きがちですが、挨拶をした後の「相手の様子」をぜひ見ましょう。お客様が目を合わせないのか、少し会釈するのか、はっきり挨拶して下さるのか、そのあたりの様子からも その後 自分がとるべき ふさわしい対応のヒントが見えてきます。
接客スタッフとお客様の関係だけでなく、これはオフィス内で、上司が部下の様子をみるとか、家庭で親が子供の様子をみるなど、いろいろな場面でも同じで、「ながら動作」でコミュニケーションしていると大事なシグナルを見落としてしまいます。「ながら動作」というのは、何かをしながら他のことをする、同時進行 という意味ですが、例えば、パソコンを打ちながら「おはよう」と言う、商品を片付けながら「いらっしゃいませ」と言う、料理に熱中しながら子供の話に相槌をうつ、などです。
「ながら動作」は、シグナルを見落とすだけでなく、気持ちが伝わらないとも言われます。
どうしても、急ぐ場合は仕方ありませんが、挨拶を言う瞬間、作業をする手をとめて、相手ときちんと目を合わせて挨拶することで、相手とのコミュニケーションにおいて、良いスタートが切れますよ♬
今回は、ワンランク上の接客!たった3秒、挨拶だけで違いを作る についてみてきました。最初の印象が悪いと、ご購入やご契約ほか、次の機会にはつながりません。挨拶は、3秒もかからない、ほんの一瞬のことですのでそこに集中して、「あ・い・さ・つ」と いろいろな工夫をして、良い第一印象を持っていただき、幸先の良いコミュニケーションのスタートを切れるように応援しています。
自社だけのオリジナル接客フレーズ作りや、ペーシングの練習、挨拶のアレンジ実践トレーニングなど、楽しくすぐに活用できる研修をご提供していますので、よろしければ お気軽にお問合せください。(レッスンや接客支援・監修・研修のお問合せはこちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2021年11月25日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
公式HP https://4cs-i.com/
私たちは、接客や販売を専門にする
研修と代行の会社です。