「会席料理など あらたまった席での振舞いに自信がない」
「器の扱いを ずっと間違えてきたかも・・・」
「なぜ、このお箸は湿っているの?」
こういったお声に おこたえします。
【本記事の内容】
うっかりやっているかも? 和食の間違いマナー 7つ
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20ほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
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ユネスコの無形文化遺産にも登録されている和食は、私たちにとっては、とても身近なものですよね。それだけに、日頃の習慣が、フォーマルな場でも無意識のうちに出てきやすいものです。今回は、意外と知らずにやってしまっているかもしれない和食のマナー7つについてご紹介します。
おしぼりは、お手拭きとして使います。西洋料理のテーブルマナーでは、ナプキンは口や手を拭くために使いますが、おしぼりはそれと同じ使い方ではないので注意しましょう。 口や顔(首まで?!)を拭いたり、雑巾代わりにしてテーブルを拭いたりはしません。口元を拭くときは、懐紙などを使いましょう。
懐紙とは?
懐紙とは、文字通り「ふところにいれて、携帯する紙」のことです。小さなサイズで二つ折りになっている和紙ですが、平安時代から現代まで、ティッシュペーパーやハンカチ、メモ用紙や便箋など、 様々な用途で使われてきました。”茶道でつかうもの” というイメージが強いかもしれませんが、例えば、食事の席で 小皿やお手拭き代わりに、魚の小骨などを覆ったり包んだりする といったように幅広く使えます。 ワンポイントの絵柄が入ったオシャレな懐紙もあるので、ぜひ活用してみてください。
大皿料理が出されて、取り分けが必要になった際、口を付けた側は使わないように配慮して、お箸を逆さまにして料理を取る人が時々いらっしゃいます。 ただ、これは和食のマナーとしてはNGです。お箸の持ち手側がきれいとは限りませんし、使った後の、お箸の見た目も美しくはありませんので、取り分け用の箸を用意してもらいましょう。 尚、お箸を使う他のアジアの国のうち、お箸の反対側を使用するのは、マナー違反ではない国もあります。
お箸のタブー
お箸を使うとき、やってはいけないタブーがあり、それぞれに名前がついています。代表的なタブーを10種類書きましたので、フォーマルな場だけでなく、普段の食事の際にも、ついやってしまっていないか、この機会に振り返ってみましょう。 「渡し箸」なんかは、わりと見かけるかもしれませんね。
お箸が濡れているじゃないか、とクレーム⁈
和食の懐石料理を食べに行ったら、お店で出されたお箸が濡れていた!とビックリした経験があるかもしれません。「他の人の使いまわし?」とか「洗ったお箸を乾かさずに提供しているの?」などと誤解して、お箸が濡れているなんて・・・とおっしゃる人も実際にいるとお店の方から耳にしたことがあります。 実はこれは、利休箸・湿り箸・濡れ箸などと呼ばれ、茶道がルーツのおもてなしの一つです。料理が箸につかないようにするために、箸をあらかじめ湿らせてあるので、お店の人にクレームを言ったり怒ったりしないようにしましょう(笑)
参考までに、千利休(1522-1591)は茶懐石でお客様をもてなすとき、その日の朝、杉の木からお客様の人数分のお箸を小刀を使って、自分で削ったそうです。食べ物がお箸につきにくくなること以外にも、利休箸は濡らすと 杉のよい香りが引き立つことからも、懐石料理では事前に濡らして使用するお店が多いので、香りも楽しんでみてくださいね。
お箸で料理を口に運ぶときに、空いている反対の手を、下に添えて“手皿”にしていないでしょうか? 一見、上品に見えるかもしれませんが、実はマナー違反です。もし、手のひらの上に食べ物や汁がこぼれてしまうと、手が汚れて行儀が悪いからです。 小皿や懐紙などを受け皿にして口元まで運びましょう。
また、日本料理の場合は、椀や小鉢など片手で持てるくらいの小さな器は手で持っていただきます。 西洋料理や中国料理、韓国料理などは、食器を持つのはNGですので、頭の片隅に置いておきましょう。
貝の汁物をいただく時に、貝の殻を、お椀の蓋の上に出してそのままにする人がいらっしゃいますが、食べ終わった殻が同席の方の目に入り、あまり美しくは見えません。また、お店によっては、大切な漆器で提供されているため、その器の塗りを傷つけてしまうかもしれません。 貝の殻は取り出さず、そのままお椀の中に入れておきましょう。 お椀の蓋だけでなく、どんな蓋も、食べられないものや 口から出したものを置く場所としては使わないようにしましょう。
親切心から、食べ終わったお皿を重ねてまとめておく人もいらっしゃるかもしれませんが、実はマナー違反です。 重ねたときに欠けたり傷をつけたりする可能性がありますし、また、汚れが他のお皿の底についてしまうためです。 外食の際は、お皿を重ねず、お店の人にお任せしましょう。
お椀の蓋についても、蓋をひっくり返して置いておく、というのもよく見かける光景ですが、お椀が出された時と同じように蓋をします。 お店や 相手のご家庭にとって大切な器は、丁寧かつ慎重に扱いましょう。
和室では素足はNGです。夏の暑い日などに、素足にサンダルというファッションの方もいらっしゃると思いますが、個人宅や、格式ある日本料理のお店に行く場合は、相手への気遣いとして、男性なら靴下、女性なら靴下かストッキングを履いていきましょう。どうしても素足にサンダルで外出したい場合は、相手先の玄関口ですぐに履けるよう、靴下やフットカバーなどを持参しましょう。
私たちのVIP接客代行で、お客様を 高級な料亭や、伝統的なお茶屋さん にお連れすることがあるのですが、その際、お客様に事前に「靴下着用」をお伝えしていても、お忘れになることがあります。お店によっては入店を断られる場合もあり、そうなると大変困りますので、結局、私たちが、予備の白い靴下をカバンにしのばせておく、ということにしています。
また、冬場に、編み上げロングブーツなどを履いていくと、靴を脱いで畳に上がる時や帰り際に、大変な目にあってしまうかもしれませんので(笑)、脱いだり履いたりしやすい靴で行くのがおすすめです。
日本料理は香りが繊細です。香水はもちろんですが、ヘアワックス・ハンドクリーム・柔軟剤など 強い匂いがするものを付けるのは控えます。 強い香りが勝ってしまうと、料理・店内の木の香りなどが台無しになり、同席の人だけでなく、近くに座っている他のお客様にも迷惑ですので、お互い配慮しましょう。
今回は うっかりやっているかも? 和食の間違いマナー 7つ についてみてきました。大事な人と食事をする・接待をするなど、さまざまな機会があるかと思いますが、和食の作法に自信がなく、気疲れするだけだった、とか、お店の人に歓迎されなかった、なんてことのないように、最低限おさえておきたい和食のマナーをぜひ参考になさってくださいね。
“日本料理の種類”、”会席料理で出される食事の流れ”、”和食で困りやすい こんな時どうする?”など、皆さん独自のご要望にあわせて、カスタムメイドで、楽しいレッスンをご提供していますので、よろしければ お気軽にお問合せください。(テーブルマナー研修や社会人スキルアップレッスンのお問合せはこちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2022年1月20日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
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