「接客力を高めるヒントが欲しい」
「接客基本用語は言えるが、もっとバリエーションが欲しい」
「クレームの予防につながる受け答えを 指導したい」
こういったお声に おこたえします。
【本記事の内容】
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20ほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
(㈱フォーシーズインターナショナルの情報についてはこちら)
皆さんは、お客様と接していて、つい口癖のように反射的に言っているフレーズはありますか? 無意識のうちに、口にしている返答を一度振り返ってみましょう。同じようなことでも言い方ひとつで、相手の気分が良くなり、顧客満足度があがったり、また事情を理解して下さりやすくなったりします。後ろ向きな言葉が口癖になっているかもしれない・・・と感じた方は、すぐに取り入れられる簡単なフレーズを、接客場面やプライベートの場面に取り入れてみてください。お客様の反応や、周囲の人が皆さんに持つ印象が、違ってくることを実感できますよ。
お客様からのこんなご要望に何と答えますか? 「すみません。ドリンクのお代わりください。」
そこまでお待たせしないのであれば、ぜひ前向きにこう言いましょう。もし、お客様のご質問に即答できず、ちょっと調べたいなんていう場合も「すぐに確認致します」の方が好印象ですよね。
では、少々ではなく、待たせることが予想される場合は何と言いますか?
お客様:「リゾット下さい。」
「時間をいただく」という言い方をすると、お客様はとても丁寧に対応してくれているという印象をもつでしょう。 もちろん、具体的に何分、と言わずに、「少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか」ということもできます。「少々」と言っていますが、「お時間をいただく」との言葉の組み合わせで、そこまで早く対応ができるわけではないことが伝わりますので、ご安心ください。
セルフサービスのお店で、トレーを返却してくれたお客様に
「すみません」は日本語のマジックワード、つまり何でも使いまわせる言葉で、日本語を学ぼうとする留学生が最初に覚える言葉の一つです。「すみません」は謝罪にも、お礼にも、呼びかけにも幅広く使えますが、お客様がやってくださったことに対して気持ちを伝えたいなら、「ありがとうございます!」と言った方が伝わります。
お客様からの電話問い合わせがあり、商品購入にご興味があるとのこと。
お客様:「友人から、Aという商品がおススメと聞いたので電話したんですけど・・・」
「はい、商品Aのどちらのタイプですか?」などと、「はい」の後に会話を続ける、日本語としては何も間違っていません。しかし、ご友人とそのお客様との間で、自社商品を褒める会話があって、お電話くださったわけですから、そこは、嬉しそうに「ありがとうございます!商品Aのどちらのタイプでしょうか?」というのが、前向きな返答で、その後も良い形で会話が進む可能性が高くなるかと思います。 もちろん、「友人からの紹介で」ということでなく、「ちょっと広告でみて気になったので・・・」というお客様がご連絡くださった場合も、「(広告を見てご連絡くださったんですね)ありがとうございます!」の返答はGoodです♬
プライベートな場面でも、「〇〇やっておいたよ」→「うん」「はい」という返事より「ありがとう!」と返せる人は、周囲から愛されやすいでしょう。
研修でこのテーマを学んだ後、ある受講生の方がこんなことをおっしゃいました。「前回の研修以降、自分が『ありがとう』を言う習慣をつけるために、返事は『ありがとうが標準設定』で、ありがとうがどうしても合わない時に『はい』というようにしました。」とのこと。
この方がおっしゃるように、いろいろな場面で、「はい」を「ありがとう」に代えることができますし、「ありがとう」を言われた人の喜んだ表情を見られるかと思います。「ありがとう」の多用、ぜひ取り入れてみて下さい。
次は、相手がネガティブな言葉をおっしゃった時の返答について、考えてみましょう。
こちらも簡単です。お客様がネガティブな言葉をおっしゃったら、前向きな言葉に言い換えて伝えます。
「そんなことはありません」だけで終わらせると、否定された印象だけが残り、その後、お客様は話し続けにくくなるので、相手の言葉を”言い換え”ながら同じようなことをオウム返し(復唱)することで、相手が話を続けやすくなります。具体的な例をみてみましょう。
派手を「華やか」と言い換えています。
古い は、「クラシック」以外にも、「長く愛され続けている・もはや定番・伝統的な」などと、言い換えられます。
こういった言い換えで、お客様が商品への興味をなくすことが 減るのではないでしょうか。
お店などで、お客様のお子さまの声が大きかったり、落ち着きなく動き回ると、お客様は子供に注意をして、こんなふうに謝るかもしれません。そんな時に「大丈夫ですよ。」だけで終わるより、「うるさい」を言い換えてみます。 「元気なお子さんですね。半袖でも寒くないなんて、すごい。うらやましいです(笑)」などと言うと、お客様は、受け入れてもらえて居心地が良い場所だと感じ、買い物がしんどくなって早々に帰る、なんてことも減るかと思います。
お客様自身やお連れ様が、太っている・・・などと、自虐的におっしゃった場合も、良いイメージにつながる言葉に言い換えましょう。
お店で商品を買う、食べる、また、ある企業同士で取引をする ことは、商品そのものを獲得することだけが目的ではなく、その時間や、やり取りの体験も含めて評価されます。心地よい時間・楽しい体験をプレゼントするという意識で、顧客満足につなげましょう!
イベントや乗り物などで、お客様が、他の人の通行の妨げになっているような場面設定です。
このような場面以外でも、お客様に注意等のお願いをする時には、言葉選びを間違えると、とても気分の悪い思いをすることになってしまいますよね。
他の人が後ろで待っていることに気づくセリフを、まずは伝えましょう。
ラストオーダーの時刻が過ぎて、温かいお飲み物のための物品を片付けてしまったような場面設定です。
冷たいドリンクは大丈夫、とか、これなら大丈夫、とお伝えすることで、随分、接客の印象が変わりますよね。
ある商品が売り切れているという場面設定です。
“この商品も急がないとなくなるかも・・・” と感じたり、“まぁ、同程度のレベルならこちらでも良いか” などと、お客様は感じるかもしれません。購入機会の損失にならないように、前向きにお伝えしましょう。もちろん、他の店舗の在庫や、再入荷があるなら、そのようにご提案するのも良いですね。
イメージ写真と違う素材を使う可能性があるという場面設定です。
「全く同じじゃないですよ。」と説明するより、プラスの発想で魅力の説明をして、お客様に心待ちにしていただきましょう。
ここまで、お客様に対しての ポジティブな言葉への言い換え をみてきましたが、顧客満足(CS)の実現は、従業員満足(ES)がベースとなる側面がありますので、スタッフ同士のあたたかなやり取りも、ぜひ取り入れてみてください。
同僚や部下に対して、
なぜ出来ないのか?と聞いたところで、出来ない理由も正しいやり方も分からないから、本人が困っているわけです。うまくいく具体的な方法を伝えましょう。
「そうじゃないんだ」「違うって、もぉ~」こんな指摘ですと、お互いストレスがたまるでしょう。少々余談ですが、2020年小学校でプログラミングが必修化しました。プログラミングでは、誤解のないように細かく明示しないと、コンピューターは察してくれません。指導する立場の方は、どうしたって誤解のないくらいに “曖昧ではない” プログラミング級の指示を習慣づけましょう。 曖昧さをなくすことは、多国籍スタッフの現場マネジメントでも必須で、弊社の異文化理解研修でも扱っていますが、また別の機会にご紹介したいと思います。
上司から仕事を頼まれたが、対応するのが難しい時
今度は、部下側の視点です。上司に対しても前向きな返事をすることで、もっと良い関係が構築できるかと思います。「△日でしたら対応できます」「今取り掛かっているこの仕事は後にしても大丈夫でしょうか?」など代案を積極的に提案することで、とても意欲的 / 協力的に感じられる返答に聞こえますよね。
普段から、前向きに言い換える意識を持つには、どんな言い換えがあるのか、たくさん言葉のストックを持っておくといいですね。 かなり気軽に面白く読める本もありますので、2冊をご参考までに紹介します。上の本は、普段の生活場面で使う言葉、下の本は、働く場面で使う言葉について書かれています。
◆ よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑 サンマーク出版
(2021年12月4日現在) 1,540円(税込)
楽天ブックス(送料無料)
◆ よけいなひと言を好かれるセリフに変える働く人のための言いかえ図鑑 サンマーク出版
(2021年12月4日現在) 1,540円(税込)
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今回は 接客力を高める!口癖にしたい “前向きな言葉・返答 15選” についてみてきました。仕事でもプライベートでも、この人と話すと 元気がでる、心地よい、と思われると、次の機会につながります。人は感情の生き物、と言われます。前向きな言葉を口癖にすること、それだけで、お客様や、皆さんにとっての大事な人に対して、快適な時間・心地よい体験を提供でき、相手の反応の違いを実体験できるかと思います。
今回は4つの場面で少しずつフレーズ例をご紹介しましたが、皆さん独自の環境で、もっと前向きな言葉にできるポイントがそれぞれあるかと思います。カスタムメイドで、接客力やコミュニケーション力を上げる研修を楽しくご提供していますので、よろしければ お気軽にお問合せください。(接客研修やコミュニケーション研修・接客支援のお問合せはこちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2021年12月4日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
公式HP https://4cs-i.com/
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