「接客を指導する立場になったので、内容を参考にしたい」
「接客が初めてなので、何をおさえればよいか知りたい」
「顧客満足度を上げるにはどこから始めたらよいかのヒントが欲しい」
こういったお声に おこたえします。
【本記事の内容】
✔ 記事の信頼性
私たちは、客室乗務員や外資系企業で働いた経験のあるメンバーが集まり、“国際標準の接客” を専門として、日本・海外 両方の 大事なお客様への対応に特化したコンサルティング&研修 をしています。
個人レッスンから、飲食店・小売店、企業や学校、オリンピックや コンサート、G20ほか 多種多様な現場に関わってきました。そんな経験から、この記事が皆さまのお役に立てたら嬉しいです!
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サービス業など、人と接する仕事で求められるのが「接遇マナー」です。今回は、接遇マナーの5つの原則と、接客経験が豊富な人でも、ついつい してしまっている気を付けたい事例など、接遇に関する基本をご紹介します。
そもそも、接遇という言葉ですが、接客とどう違うのでしょうか。
接遇の“遇”という漢字には、「もてなす」という意味があります。一方、接客は「客と接する」というシンプルな意味であり、もてなすという意味は含まれていません。
つまり、お客様に対して必要最低限のサービスをするのが「接客」であり、そこにプラスアルファのおもてなしを加えたものが「接遇」ということです。接遇の方がワンランク上の位置づけと言えます。
ただ、気を付けたいのは、「御社の接客は素晴らしい」「あの大事なクライアントへの接客をよろしくね」というように、接客という言葉は、より一般的な言葉ですので、「接客」と言ったからといって 最低限のサービスという意味だ、というふうに誤解しないようにしましょう。「接客」と言っても、「高いレベルの接客」「接遇」が意図される場合も多くあります。
サービス業の基礎として、また、ひろく良好な人間関係の構築のためにも必須といえるのが、接遇マナーの5つの原則です。
それでは、1つずつみていきましょう。
私たちは小さな頃から、日々ごく普通のこととして、「あいさつ」をしていますので、あらためて「あいさつ」について考えることは、あまりないかもしれません。そもそも、「あいさつ」とは何でしょうか。
もともとは禅問答に由来する言葉で、「あいさつ」を漢字で書くと「挨拶」です。
「挨(あい)」という漢字は、「押す」「ひらく」「進む」という意味を、
「拶(さつ)」という感じは、「せまる」という意味を持ちます。
二つを合わせて、「挨拶」は本来、「ひらいてせまる」「押して近づく」という意味の熟語だということになります。
私たちの研修では、
「挨」を「自分の心を積極的に開いて相手の方に進む」意味として、
「拶」を「相手の人の心に迫る」意味として お伝えしています。
つまり、挨拶をする、というのは、相手と初めに交わすコミュニケーションであり、「自分の心を積極的に開いて、相手の人の心と距離が近づく状態にする こと」と言えます。皆さんは、そんな状態になる 本来の「挨拶」ができているでしょうか。
本来の「心が近づく」挨拶をするためのポイントは、こちらの記事 → ワンランク上の接客!〔接遇マナー〕 たった3秒、挨拶だけで違いを作る をご覧ください。
〔こんなことありませんか?〕
親しみやすく明るい笑顔の表情は、相手に良い第一印象を与える 大事なポイントの1つです。特に接客にたずさわる方は、話しかけやすい柔和な笑顔を基本として、常に心がけましょう。
笑顔のポイントは、目元と口角です。マスク着用が当たり前になったことで、目元に、相手の視線が集中します。私たちの研修で、マスクをつけてお互いの目だけ見て、笑顔か無表情かをあてるワークをするのですが、受講生の方の正解率は、ほぼ100%です。目元だけで表情全体が正しく判別されるということが分かります。
尚、笑顔は、とにかく笑おうとしても、精神面だけの問題ではなく、表情筋(表情をつくる時に関わる筋肉の総称)がどれだけ発達しているか 普段から使えているかによって、自然な笑顔、固い笑顔など、表情が変わってきます。 普段から鏡の前などで練習しておきましょう。
また、第16 代アメリカ合衆国大統領のエイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln 1809~1865年)は、「40歳になったら、人は自分の顔に責任を持たなければならない」という言葉を残しています。どういうことかというと、「顔」は親から与えられるものだけれど、40歳を過ぎるころから、これまでの経験の積み重ねや、他人を受け入れる気持ち、自分に対する自信などが「顔」に現れてくるものだから、出来上がった自分の「顔」に責任を持たなければならない、そういう意図での言葉です。 顔・表情に対して、今日からさらに意識を向けたくなる言葉ですね。
〔こんなことありませんか?〕
身だしなみは、無言の自己紹介 とも言われます。
身だしなみで一番大切なのは、清潔感です。また、TPOにふさわしいかどうか、つまり、時、場所、場合にふさわしいかも、大事な視点ですね。
実際のところ、皆さんが働く職場や業種によっても、求められる身だしなみは、異なります。自分がどのような役割や印象を求められているのか、という他者目線を考えることが大切です。 おしゃれ とは違って、身だしなみは相手目線であり、相手の人にとって心地よく、そして、信頼感や好印象につながるよう選び、整える、ということです。
どのようなポイントに気を付ければ、「相手の人」に不快感を与えず、適切な身だしなみが実現するのか、セルフチェックも含めて、身だしなみについて詳しくは、こちらの記事 でご紹介しています。
態度とは、物事に向かう姿勢やすべての立ち居振る舞いのことなどですが、「立つ、座る、手渡す、お辞儀をする、握手をする、ドアの開け閉め」などすべての所作を、周囲の人に対して配慮や敬意をもって行いましょう。立ち居振る舞いにはあなたの品格があらわれます。
立ち居振る舞いを意識することが必要なのは、単に見た目が美しくなるからということではなく、“人となり” を判断される重要な要素であるからという言い方もできます。お客様や周囲の人は、あなたのことを意外な瞬間までよく見ています。このことは、仕事中でもプライべートでも ぜひ覚えておきたいポイントです。
映画やテレビに出てくる俳優さん達は、登場人物の性格や気持ちにあわせて、無数の違った歩き方、立ち方、座り方などを表現なさいます。 俳優さんのようにはいかないかもしれませんが、皆さんも、どのような自分でありたいのか、どう見られたいのかを、一度じっくり考えてみると、立ち居振る舞いが大きく変わるきっかけになるかと思います。
・お辞儀について、詳しくはこちらの記事 → 〔接遇マナー〕お辞儀の基本と、気持ちが伝わる3つのポイント をご覧ください。
・座り方について、詳しくはこちらの記事 → 【椅子の座り方】好印象につながる座り方 5ポイント をご覧ください。
・物の渡し方について、詳しくはこちらの記事 → お客様への物の渡し方 気配りが伝わる10のコツ をご覧ください。
・指し示し方について、詳しくはこちらの記事 → 指し示し方 気配りが伝わる5つのコツ をご覧ください。
〔こんなことありませんか?〕
接遇をする際の基本的な言葉遣いといえば、まず、敬語 があげられます。敬語によって相手を敬う気持ちをあらわせますので、もし、尊敬語・謙譲語などの使い方に自信のない方は、練習しておきましょう。
(言葉遣い〔敬語編〕は、こちらの記事です。)
誰に対して話すのかや、業種によっても言葉遣いは違ってきます。大事なお客様のペットに対して敬語で話した、という笑い話がありますが(笑)、状況や自分の役割も考えて、言葉遣いを選ぶことが重要です。
また、敬語以外にも、どんなフレーズを選んで相手に伝えるのがよいかは、大変奥深い コミュニケーションの分野です。
上手に依頼する〔クッション言葉編〕は、こちらの記事で書いていますが、クッション言葉以外にも、聴き方・話し方など、コミュニケーションについては、かなりたくさんの要素がありますので、今後、いろいろ紹介していきたいと思います。
〔こんなことありませんか?〕
今回は、接客の基本、接遇マナー5原則とは何かをみてきました。これは、お客様に支持される人気店・人気企業になるために不可欠なものです。また、プライベートでも、周囲の人と良い人間関係を築くために必要な要素です。
私たち一人ひとり、個性や魅力が違うわけですが、「私は、身だしなみはきちんとできている」「これまで、挨拶をすこし軽く考えていたな」とか、5原則に照らし合わせて、ご自身の魅力と課題が見えてくるとよいなと思います。 接客について指導する立場の方は、ぜひ、やり方だけを伝えず、なぜそうするのか、その真意もお伝えになることをお勧めします。
接遇にたずさわるスタッフ様の個性にあわせた楽しいレッスンや、具体的な課題克服トレーニングをご提供していますので、よろしければ お気軽にお問合せください。(レッスンや接客支援・監修のお問合せはこちら→ https://4cs-i.com/contact/ )
それではまた次回、お会いしましょう。最後までお読み頂いてありがとうございました!
〈2021年11月24日投稿〉
株式会社フォーシーズインターナショナル
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